4R（キジマ） Regius F-10

掲載日：2010年10月18日バイク用品インプレッション

バイク用品インプレッション

日常のライディングにベストマッチ
安価でも安物ではない1着

バイクの高性能化に歩調を合わせるように進化し続けるライディングジャケット。この記事を読んでいる方の中にもプロテクターやベンチレーション、防寒＆防水インナーなどを装備したフルスペックのヘビージャケットを愛用している方も多いことだろう
。しかし、ちょっとしたツーリングや通勤・通学など、バイクとともに過ごす日常のシーンのなかでそれらに袖を通すというのはちょっと抵抗があるのではないだろうか。一般的に高機能なジャケットほど重くかさばるものであり、デザインも大袈裟なものとなりがちだ。そんなことから、経験豊富なライダーほど用途や状況、行き先に応じて複数のジャケットを使い分けているものである。

さて、そんな観点から市場を見てみると「ここぞ」という時に着用する1着は良いとしても、普段着感覚で常用するのに丁度良いアイテムが案外少ないことに気付く。今回テストしたのは、バイク用パーツで有名なキジマがデザインや機能、コストパフォーマンスにこだわって開発した用品ブランド「4R」の1アイテム、秋・冬用のライディングジャケット「Regius　F-10」だ。その特徴は幾つかあるが、なんといっても注目したいのはその2万4,990円（税込）という価格。日常の用に供するアイテムとして2万円台前半というプライスタグは実に魅力的だ。それでいて肩・肘・背中に着脱式のEVA製プロテクターを標準装備しているほか、寒風をシャットアウトするウェストゲーター、ハンドウォーマー兼用のポケット、胸元の防水タイプ縦ポケット、リアベンチレーションなども採用。さらにアウター素材生地は表面に撥水テフロンコーティング、裏面に防水・透湿コーティングを施すなど、スペックとしては高価なフル装備ジャケットに負けていない。

実際の着心地も快適だ。各部のプロテクターは簡易なものであり、防水や防寒などの機能を別体インナーなどに頼らずシンプルなアウター生地、中綿、裏地によって実現しているため、袖を通してみれば分かるのだが実に軽量。使用されている生地自体も実に柔軟でフィット感も良好。保温性が高いジャケットでありながら、それを意識させない軽くて柔らかな着心地が印象的だ。また、アウター生地自体が防水仕様というのも大きなポイント。例えば不意の大雨に遭遇した場合、インナー防水式のジャケットは非防水のアウターが雨水を吸ってしまい重くなるという欠点がある。さらに、場合によっては滴る雨水で飲食店に入るのもはばかられるという事態になり兼ねない。一方、このRegius　F-10のようにアウター生地が防水であれば雨水が内部に染込むこともなく、水滴をサッと拭き取ることもできる。実は、昔ながらのアウター防水式というのは合理的でもあるのだ。デザインや色使いはシンプルでどのような用途にも合わせやすく、価格も手頃。それでいて必要な機能は一通り備えているのであるから、日常用途だけではなくちょっとしたツーリングにも連れ出したくなる1着である。