

掲載日:2013年11月29日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/河合宏介
フロントマスクの精悍さとリアの跳ね上がりは、まさにスーパースポーツのそれのようだ。取り回しでは少し車重を感じるが、センタースタンドを掛ける動作では、むしろ軽く感じられた。ハンドルの切れ角も充分あり、駐車場からの出し入れでも不便はないだろう。メットインスペースの容量は公表されていないが、突起のないヘルメットひとつと雨具を入れても、まだ少し余裕がある印象だ。リアサスペンションは、複雑なリンクを介したもので本来見えない場所にあるが、車体下部から見える工夫がされていてスポーティさをアピールしている。限定のSPモデルは、この窓にメッシュガードが付属する。実用の装備に加え、そんな遊び心も盛り込まれている。
スクーター然としたフォルムから感じる印象で、ステップスルーではない足元に違和感を覚えるかもしれない。G-MAX125は、一般的なスクーターのようなフレームのすべてをフロア下に収めるアンダーボーンではなく、ダブルクレードルを採用している。これは昔のノートンやトライアンフから現在のCB1300SFまで、ネイキッド系に多く採用されている伝統的なフレーム形式であり、強靭かつしなやかという特性がある。走り出すと、その剛性感に納得できるだろう。そのため、シートは「腰かけ」ではなく、「重心をコントロールする場所」といった印象を受けた。着座して足を伸ばすと、両方のつま先がギリギリ接地するくらいなので、足付きは決して良いとは言えない。足を置くステップも狭く感じるかもしれないが、くるぶしを締めてグリップするにはちょうど良い感じだ。実際、その乗り方だと安定する。
G-MAX125は気軽に乗れるスクーターフォルムで、オートマチックのオートバイだと考えるといい。蛇足かもしれないが、原2最速ともいわれる同社の原2スクーター「TIGRA」ベースのエンジンを積んでいるので、かなりのスピードが出る。それと、バックミラーのスタイルはいいのだが、左右への張り出しが大きいため、すり抜けなどでは充分な注意が必要だ。
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