【ホンダ スーパーカブ 110 Lite 試乗記】歴史と伝統を受け継ぎつつ、110ベースの「新基準原付」となって登場

掲載日:2026年03月14日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/野岸“ねぎ”泰之

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HONDA Super Cub 110 Lite

排ガス規制の強化にともない従来の50ccクラス原付は生産終了となった。その対応策として2025年から新たに始まったのが新基準原付制度だ。ホンダではそれに合わせた車両を「Lite」シリーズと名付け、数種類のモデルを発売。そのうちの1つがスーパーカブ110 Liteだ。今回は新しいカテゴリーとなるこのマシンに実際に試乗し、その走りや魅力を確かめてみた。

ホンダ スーパーカブ110 Lite 特徴

50cc時代よりも装備が充実し、
利便性が高まった

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2025年11月から適用された「第4次排出ガス規制」に伴い、これをクリアするには多大なコストがかかるなどの理由で、従来の50cc原付は生産継続が難しくなった。これに対応するため、排気量125cc以下の原付2種車両をベースに最高出力を4.0kW(5.4PS)以下に制限し、原付免許でも運転可能とする「新基準原付」という制度が導入された。この新しい制度に対応するモデルとして投入されたのが、スーパーカブ110 Liteだ。原付免許はもちろん、普通自動車免許でも乗れることから、長年親しまれてきたホンダ スーパーカブ50の実質的な後継モデルと言っていいだろう。

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スーパーカブ110 Liteは、エンジンや車体など基本的な構造は原付2種のスーパーカブ110と同じだが、新基準原付の条件に合わせてエンジン出力をデチューンしている。搭載されるエンジンは空冷4ストロークOHC単気筒109ccで、最高出力はスーパーカブ110の5.9kW(8.0PS)に対して3.5kW(4.8PS)に抑えられている。車体はカブシリーズ伝統のアンダーボーンフレームを採用し、4速ロータリー式ミッションや大型レッグシールド、リアキャリアなど実用装備もそのまま踏襲している。

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外観上の違いはタンデムステップが省略されている点とスピードメーター、原付2種にはあるフロントフェンダーの白いラインとリアフェンダーの三角マークがない点、そしてナンバープレートが白となるぐらいだ。

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従来のスーパーカブ50と比較すると、フロントにディスクブレーキが採用され、ABSを装備するほか、チューブレスタイヤとなるなど、安全性と信頼性を高める装備も導入されている。当然ながら交通法規上は原付1種となるため、法定速度は30km/hであり、二段階右折も必要となるなど、公道でのルールは50cc時代と同様だ。

ホンダ スーパーカブ110 Lite 試乗インプレッション

力強い走りで実用バイクとしての
戦闘力がさらにアップ!

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走り出してまず「従来の50ccスーパーカブに比べると、明らかにトルクが豊かで加速に力強さがあるな」と感じた。もともとスーパーカブは絶対的な速度性能を追求するモデルではないとはいえ、発進から中速域にかけて「グッと前に出る」感覚が際立っている。法定速度である30km/hまではあっという間で、それ以降の伸びしろもまだまだあり、50ccクラスよりもかなり余裕が感じられる。実際、一般的な1車線の県道などでは乗用車の流れに違和感なく合わせられるだけの実用的な走行性能を持っており、市街地ではキビキビとした走りを楽しむことができる。

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テスターの身長は170cmで足は短め。スーパーカブ110 Liteのシート高は738mmで110と同じだ。50ccモデルより3mm高い値だが、もともと低いので片足、両足ともしっかりと接地するため、全く気にならない。

発進加速時のほか、特に余裕を感じられるのが坂道を上る時だ。50ccだとシフトダウンしないと失速するような場所でも、そのままのギアで走り切ることができるなど、トルクが太いのを実感することができた。

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操作性や車体の扱いやすさに関しては、従来からスーパーカブシリーズが長年培ってきた手軽さや安心感、信頼性などの部分がしっかりと受け継がれている。シートが低く設定され、ハンドル位置も比較的低めであるため、乗り降りが容易で、停車や発進といった日常動作も軽快に行える。取り回しのしやすさを含め、既存のカブユーザーにとっても全く違和感がないだろう。

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また、車体が110ベースになったことでキャストホイールとなり、スポークホイールだった50ccモデルと比べて車体の剛性感や安定感が向上し、乗り心地が引き締まった印象を受けた。フロントがディスクブレーキでABSを装備していることも、制動力と急制動時の安全性アップにつながり、より安心してライディングを行える。

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車両重量は50ccモデルよりも5kg増えた101kgとなっているが、パワーとトルクが増えたことで全く気にならず、街乗りでの俊敏さと扱いやすさを兼ね備えた実用バイクとして非常に魅力的な仕上がりとなったと感じる。車両性能に余裕がある分、速度超過を招きやすい点にだけは注意が必要だが、スーパーカブ110 Liteが「誰にでも乗りやすく、タフで信頼できるマシン」として、スーパーカブシリーズの伝統を受け継ぎ、新時代の象徴として路上で活躍し続けることは間違いないだろう。

ホンダ スーパーカブ110 Lite 詳細写真

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丸い灯火類は伝統的なスーパーカブのスタイルを踏襲。ヘッドライトはLEDだ。エンブレム下の「Lite」のステッカーが新基準原付の証となる。

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原付1種となるため、メーターは60km/hまでの速度表示と速度警告灯を備えている。液晶部にはギアポジションや燃料計を常時表示し、時計や平均燃費なども切り替え表示が可能。

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ハンドル左側にはウインカーとホーン、ヘッドライトの上下切り替えスイッチが配されている。

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ハンドル右側はスターターボタンのみ、とてもシンプルだ。

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伝統の横型エンジンは空冷4ストロークOHC単気筒109ccで、原付2種のスーパーカブ110と全く同じ。吸気量を絞り、ECUで燃調を制御することで最高出力を3.5kW(4.8PS)に抑えている。

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メインスイッチのキーシリンダーは、ハンドルロックのみを備えたシンプルなタイプだ。

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レッグカバーの左内側には荷掛けフックを装備。ちょっとした手荷物をキープするのに便利だ。

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シートはクッション性が高く、座り心地がいい。後部には大きめのキャリアを備えている。

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シートを跳ね上げると給油口が現れる。キャップはロック機構付きで、タンク容量は4.1Lだ。

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シフトペダルは伝統のシーソー式を採用。前に踏み込むとシフトアップ、後ろを踏むとダウンする。停車時には4速からNにも入る仕様だ。

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セルスターターのほかにキックペダルも装備する。ステップに可倒機構はない。

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車体後部左側にはピン式のヘルメットホルダーを備えている。

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センタースタンドのほか、サイドスタンドを標準で装備。ちなみにサイドスタンドを出してもエンジンは止まらない仕様だ。

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スーパーカブ50はスポーク&ドラムブレーキだったが、110がベースになったためキャストホイール&フロントディスクブレーキ、ABS装備となった。タイヤ銘柄はIRCのNF63Bだ。

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ホイールはキャストになってイメージは変わったが、リアサスは2本タイプで、チェーンケース同様カバーされているのはスーパーカブの伝統だ。タイヤはIRCのNR78Yを履く。

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灯火類はテール/ブレーキランプ、ウインカーともにバルブタイプを採用。丸みを帯びたデザインとともにレトロな雰囲気を醸し出す。

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