カワサキ Z125 PRO
カワサキ Z125 PRO

カワサキ Z125 PRO – スーパーネイキッド”Z”の血統が生きる

掲載日:2016年07月01日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/淺倉恵介

カワサキ Z125 PROの試乗インプレッション

カワサキ Z125 PROの画像

待望のマニュアルミッションが楽しい!!
高速域のスタビリティはクラス随一

Z125 PROに跨ると、意外にライディングポジションが大柄なことに気づく。もちろん、小さな車格なりにコンパクトではあるのだが、身体があまり窮屈に感じない。この手のバイクは、身体を折りたたんで乗るようなものが少なくない。Z125 PROの乗車感は、ミドルクラス並と言っては誇張が過ぎるが、車格からするとリラックスできる。通勤通学などの普段使いを考えると、嬉しい部分。

カワサキ Z125 PROの画像

エンジンのキャラクターは実にフラット。クラッチミートからレブリミットまでスムーズに吹け上がってくれる。パワーが盛り上がる感覚は弱いので、エキサイティングさに欠けるかもしれないが、その分トルクの谷もないので扱いやすさが際立つ。過激なルックスとは対照的に、乗り手を急かせないパワー特性なのだ。

ミッションは一般的なクラッチを持つ、1速-N-2速-3速-4速の4段リターン式。数世代前の先祖にあたるKSR110はクラッチレスのセミATで、ボトムニュートラルの4速ミッションだったが、これを好まないユーザーも多かった。限られたパワーを引き出して走るには、やはりマニュアルミッションがいい。パワーバンドを活かして、キビキビと走るのが面白い。10馬力そこそこのパワーといえど、街中なら車の流れをリードできるし、速度の速いバイパスなどでも流れに乗るには十分だ。

ただし、4速でレブリミットまで引っ張るのには、それなりの距離が必要。1速から3速の、ギヤ比のオーバーラップが良好なので、普通に走らせるのなら3速までで十分。4速はオーバードライブ的な存在と考えてもいいかもしれない。サスペンションはスプリングが硬めで、小柄なテスターではギャップで跳ねる場面があった。だが、そのカタ目のアシが高速域で効く。4速全開の速度域でのスタビリティは、前後12インチという小径ホイールを履くマシンとしては出色の出来。安心して、スピードを楽しめる。また、スプリングの硬さはブレーキングでも有効。ブレーキを強めにかけても、フロントがダイブしにくいのだ。これで、もう少し減衰がかかっていれば……と、考えてしまうのは贅沢というものだろうか? だが、その”もう少し……”が欲しくなってしまう素性の良さがZ125 PROにはある。コミューターとして、スポーツバイクとして、様々な可能性を感じさせてくれるマシンだ。

Z125 PROの詳細写真は次のページにて

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索