アプリリア RS4 125
アプリリア RS4 125

アプリリア RS4 125 – 熱きイタリアンブラッド

掲載日:2011年12月20日 試乗インプレ・レビュー    

アプリリア RS4 125の試乗インプレッション

アプリリア RS4 125の画像

マニアックな乗り味と
取り回しの良さが同居する

マシンに跨がると、ハンドルが低く前傾もそれなりにキツい。だが、タンクが短く、着座位置とハンドル位置が近いので上半身は比較的リラックスしている。ステップ位置はかなり後退しているが、わりと低めなので下半身もさほど窮屈ではない。スポーツライディングだけを考えるのなら、もう少々ステップ位置を高くしてもよいが、日常使用を考えるのなら、好感の持てるポジションだ。シート高は820mmとビッグバイク並だが、車体がスリムなので足着き性は良好。また、この手のマシンにしてはハンドルの切れ角が大きめなので、取り回し性はかなり高い。過激なスタイリングを持ちながら、RS4 125は意外なほどライダーにフレンドリーなのだ。

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だが、走り出すとスパルタンな性格が顔を出す。エンジンは一言でいえば高回転型。しかし、ただ単純にピーキーな特性かというと、それも違う。低中回転域でもそれなりのトルクはあるし、発進で困るようなこともない。だが、回り方が気持ち良くないのだ。6,000回転以下では、振動も多く回転上昇のフィーリングも上質さが欠ける。それが、高回転域に入った途端、性格が一変する。回転上昇がスムーズさを増し、吹け上がりがグッとシャープになる。パワーバンドは7,000回転から上、そこからレブリミットが効くまでは、実に爽快な回り方をみせてくれる。「高回転しか使えない」のではなく「高回転が面白い」という意味で、高回転型のエンジンなのだ。

アプリリア RS4 125の画像

ピークパワーは10,500回転で発揮するとのことだが、そこから上の回転域でもエンジン自体はまだまだ回ろうとしている。クロス気味のミッションを活かして、頻繁にギヤを変えて高回転をキープして走る。これこそがRS4 125の正しい楽しみ方だろう。また、オプションのクイックシフターの出来が素晴らしい。スロットルを全開にしたままシフトペダルを掻き上げると、実に気持ち良くシフトアップが決まる。このクイックシフターには、アプリリアのトップモデルRSV4 APRCの技術が投入されているとのこと。是非とも装着をお薦めしたいアイテムだ。

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車体に目を向けると、これがまたスポーティ。シャシーのセッティング自体が、スタビリティより運動性を重視したアプリリアのスポーツモデルらしいものなので、ハンドリングは極めて軽快だ。車体の軽さを差し引いても、それ以上にフィーリングが軽い。ただ、前後サスペンションはもう少し落ち着きが欲しい。ピッチングを起こしやすく、コーナリングのきっかけ作りはイージーなのだが、動き過ぎるきらいがある。コーナリング中は、しっかりとフロントに荷重する現代的な乗り方がマッチする。そんなところからも、真面目にスポーツバイクを追求したマシンなのだと感じさせられた。マニアックなエンジン特性と車体のセッティングを持ちながら、日常の扱い易さが光る取り回し性の良さ。RS4 125は、そんな二面性が魅力の1台だ。

アプリリア RS4 125の詳細写真は次ページにて

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