アプリリア Tuono V4 R APRC

掲載日:2012年06月27日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/淺倉 恵介

アプリリア Tuono V4 R APRCの画像
aprilia Tuono V4 R APRC

スーパースポーツ直系のパワフルなエンジンを専用フレームに搭載
スタビリティと過激なコーナリング性能を両立したハイパフォーマンスネイキッド

Tuono V4R APRC は、アプリリアのフラッグシップであるスーパースポーツ RSV4R をベースとするスポーツネイキッドです。しかし単純にスーパースポーツのカウルレス化ではなく、フレームは専用設計品とされています。専用フレームは RSV4 と比べて、ホイールベースの延長と低重心化が図られたもので、ネイキッドに相応しい運動性が持たされています。V型4気筒エンジンもカムシャフトは専用品。インジェクションの燃調マップも Tuono の専用プログラムを採用しており、フルパワー仕様では 167PS の大出力を誇っています(日本仕様は106PS)。シリンダー挟み角65度のV型エンジンは非常に小さく作られており、車格は 600cc クラスなみのコンパクトさ。また、吸気システムには電子制御式スロットルのライド・バイ・ワイヤを採用しています。

ネーミングにある APRC とは、トラクションコントロールシステムを軸とした、ライディングをサポートする電子デバイスのことで 『Aprilia Performance Ride Control』 の頭文字をとったものです。トラクションコントロール、ウイリーコントロール、ランチコントロールの3種類の機能を組み合わせて、あらゆるシチュエーションにおいても最大限のトラクションとグリップを確保することを目的としています。また、クイックシフター機能も装備しています。

APRC が介入するタイミングと作用の強さは、タイヤのスリップによって発生する前後ホイールの回転差と、慣性センサーによって得られる車両の動的位置情報というふたつのデータに加え、スロットル開度からライダーが求めるパワーを推測したデータを加味して決定されています。また、APRC のトラクションコントロール作用時のトルク制御は、一般的な点火カットではなくスロットルバルブの開度を狭めることで行われます。これはライド・バイ・ワイヤを採用しているからこそ可能となった機構です。更に、タイヤが急激にスリップした時など緊急にトルク制御が必要な場合には、点火タイミングを遅らせる制御も行われます。このように、APRC は複雑で非常に高度な制御を行っており、世界を見渡しても、最も進化した部類のトラクションコントロールシステムだと言えるでしょう。

アプリリア Tuono V4 R APRCのここがポイント!
  • ● 進化したトラクションコントロールシステム APRC を採用
  • ● スーパースポーツ並みのハイレベルな車体の作り込み
  • ● 速いだけでなくパルス感が豊かで味わい深いV型4気筒エンジン

アプリリア Tuono V4 R APRCのライバルはこれだ!

  • カワサキ
    W800

    ストリートファイター系ネイキッド。2012モデルでは専用設計エンジンとアルミツインチューブフレームを採用。フルカウルを装着する兄弟車、Ninja1000も人気。

  • トライアンフ
    ボンネビル

    2004年型YZF-R1のエンジンをリファインして搭載するネイキッド。日本仕様は、エンジンとサスペンションセッティングが国内向けに変更されている。

  • モトグッツィ
    V7 カフェ クラシック

    メーカ製ストリートファイターというジャンルを確立した、トライアンフ最大のヒット作。トライアンフのアイデンティティ、並列3気筒エンジンは排気量1,050cc。

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