

掲載日:2011年12月06日 試乗インプレ・レビュー
日本国内ではスクーターや実用車が中心の125ccクラスだが、ヨーロッパでは免許制度や保険制度の関係から注目度の高いカテゴリーでもある。そのため、かの地では魅力的なスポーツモデルが、各メーカーから数多くラインナップされている。このYZF-R125も、そんな一台。ヨーロッパで企画され、フランスで製造されているモデルだ。
元来、ヤマハは軽量級のスポーツモデルを作るのが上手い。過去にはTZR125やRZ125を有し、多くのライダーを魅了した実績もある。YZF-R125は、そのヤマハが同社製スーパースポーツの象徴である「YZF-R」の名を冠した完全フルサイズボディの本気のスポーツモデルだ。国内市販モデルではないが、プレストコーポレーションによりデリバリーされ、販売拠点や保証などにも不安はない。気になるマシンが入手も容易となれば、その魅力は俄然増すばかり。ならばここで、本格125ccスポーツYZF-R125の魅力を探ってみよう。
スタイリングは、YZF-Rシリーズの名に恥じないスパルタンなもの。シャープなデュアルヘッドライトを備えたカウリングの鋭角的なフォルムや、ミッドシップレイアウトのマフラーが、兄貴分であるYZF-R6とイメージが被る。大型バイクのデザインをそのままスケールダウンさせると、頭でっかちな印象になるものだが、YZF-R125のデザインワークは秀逸。ボリューム感とシングルスポーツらしいスリムさが、実にスタイリッシュにまとめられている。テールランプにLEDを採用するなど、高級感もクラス随一だ。
フレームはヤマハの独自技術、軽量で高剛性なデルタボックスフレーム。前後17インチホイールを採用したフルサイズボディは、排気量の枠を超えたキャパシティを誇る。スイングアームは左右非対称の形状を持ち、右サイドはマフラーを避けて湾曲し、左サイドはセンターにチェーンを通すという凝ったデザインが持たされている。この複雑な形状は、ヤマハの得意とする鋳造アルミニウム製法によって実現したものだ。リヤショックはボトムリンク式のモノクロスで、フロントフォークはコンベンショナルな正立テレスコピックタイプを採用する。
専用開発された水冷単気筒エンジンの動弁機構は、SOHCながら4バルブを採用。シリンダーボアよりストローク量が大きい、ロングストロークタイプの設計を持つ。いたずらに高回転のパワーを追うのではなく、限られた排気量の中で必要なトルクを確保しているといえる。吸気システムはインジェクションで、マフラーにはデュアル触媒を内蔵。エアインダクションシステムも装備し、動力性能と環境性能を高次元で両立した点も見逃せない。
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