

掲載日:2011年08月30日 試乗インプレ・レビュー
写真/河合宏介 取材・文/野呂瀬悦史
『Dio』の起源は2スト50ccスクーターとして登場した1988年にまでさかのぼる。当時は各メーカーから多様なスクーターがリリースされていた時代。Dioは、スポーティなデザインと軽快な走りで注目を集め、デビューと共に人気車両としての地位を築いたのである。
その遺伝子を継承するモデルが2011年夏に発表されたDio110だ。軽快なデザインに仕上げられたこのモデルは、インドネシア、タイ、ベトナム、中国で製造・販売されるグローバルモデルとして誕生した。世界市場を視野に入れることで量産効果を最大限に引き出し、新車価格で20万円以下を実現したホンダの意欲作といえる。従来の同クラススクーターと変わらないボディサイズや、環境性能にも優れた新開発空冷エンジンなど、スペック表の数値は必要十分。では、気になる実走フィーリングはどうだろうか。
実車を前にすると14インチタイヤもさほど気にならない。全体的な作りは無駄なく堅実にといった印象。ライトやウィンカーが配置されているフロントグリルは美しい曲線で構成されて、機能とデザインの見事な調和が見られる部分だ。ちなみに、このフロントグリルの風防効果は秀逸で、小雨程度では足元が濡れないのはもちろん、走行風でジャケットがバタつくことも無く、また、ヘルメット越しに聞こえる風切り音も通常のスクーターより少なく感じた。
レッグスペースのクリアランスは十分。体重を適度に分散してくれる幅も厚みもあるシート下には、容量18リットルのメットイン・スペースが用意されている。しかしこのスペース、エアインテークなどの装飾があるヘルメットは収納が困難だ。大きいサイズのフルフェイスも厳しいかもしれない。シート面と同じ高さで伸びる大型アルミキャリアは、リアビューを引きしめるデザインアイテムでもあるが、かなりしっかりした作りでトップケースなどを装着しても問題ないだろう。直線を基調にしたテールエンドは、Dio110のスポーティらしさが具現化されている部分。純正オプションパーツにラインアップされているフェンダーレスキットなどをあしらえば、さらにスタイルアップするはずだ。
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