「宮ヶ瀬」をライダーの新たな目的地に!! 神奈川県清川村とバイク王が、地域創生のパートナーシップを強化

掲載日/2025年12月2日
取材協力/株式会社バイク王&カンパニー
文/野岸 秦之
構成/バイクブロス・マガジンズ
ライダーなら誰しも、休日になるとつい行き先に選んでしまう“お気に入りの場所”があることだろう。潮風が気持ちいいシーサイドロードや山奥の静かなカントリーロードなど、自分好みの道や景色が楽しめる場所は、何度走っても飽きないものだ。神奈川の県央地域に住む筆者にとって、そんなお気に入りの場所の一つが、県の北部に位置する宮ケ瀬エリアだ。宮ケ瀬ダムとそのダム湖である宮ケ瀬湖を中心としたこの地域は、豊かな自然と風光明媚な景色が堪能できるほか、湖を巡る気持ちのいい道もあって、首都圏のライダーが多く集まる“聖地”とも言える場所となっている。そんな宮ケ瀬を擁する自治体の一つが神奈川県唯一の村である清川村で、このたびバイク王との間で新たな取り組みが始まるという。それはいったいどういうものなのだろうか。

「バイクライフの生涯パートナー」を掲げ、全国でさまざまなサービスやコミュニティづくりを展開しているバイク王は、このほど神奈川県愛甲郡清川村が進める「清川村地域再生協働プロジェクト」に対し、企業版ふるさと納税を通じた寄付を行った。これを機に、宮ヶ瀬湖周辺を中心とした地域で、バイクイベントを継続的に招致する取り組み「Enjoy Bike! 宮ヶ瀬」を同村と共同で再始動させ、ライダーにとって魅力的な交流拠点づくりに取り組むという。

清川村は、面積の約9割を森林が占める自然豊かな地域だ。宮ヶ瀬湖や周囲のアクティビティ、多様な飲食店などの観光資源に加え、隣接市町には温泉や牧場といった人気スポットも点在する。首都圏から約1時間半とアクセスも良く、富士山麓から山中湖へ至る「道志みち」の中継地点として、ツーリングライダーの人気を集める高いポテンシャルを持つ土地だ。しかし、これまでライダー向けイベントが定期的に開催される環境は整っていなかった。

今回の寄付とパートナーシップ構築の背景には、地域の魅力を十分に発揮できていない現状と、ライダーが楽しめる場づくりの不足があったわけだ。清川村とバイク王は課題を共有しながら協議を重ね、バイクイベントの招致や駐輪場環境の改善を柱として、地域に新たな活力をもたらすことで合意に至ったとのこと。寄付金はライダー向けの環境整備にも活用される予定で、バイク王は年間を通してイベント誘致の主導、観光集客支援、さらには周辺地域でのマナー向上活動にも取り組むとしている。

バイク王はこれまでも宮ヶ瀬で地域振興をテーマとした活動を行ってきた。2025年4月には「Enjoy BikeLife! in 宮ヶ瀬」を主催し、事前応募のうえ抽選で200名を招待。参加者に提供した「宮ヶ瀬水の郷商店街」で利用可能な食事券は、額面以上の売り上げに貢献したほか、メディア露出によって宮ヶ瀬の認知向上にもつながった。また11月29日には「宮ヶ瀬クリスマスみんなのつどい」で、イルミネーションを背景にバイクと撮影できる特設ブースを出展。約400台分のバイク専用駐輪場を無料開放するなど、地域との協働を深めている。

「Enjoy BikeLife! in 宮ヶ瀬」の様子

「宮ヶ瀬クリスマスみんなのつどい」の様子 左:夜のイベント会場に集まったバイク、右:絶版車と記念撮影ができるブース

今後は活動名称を「Enjoy Bike! 宮ヶ瀬」と改め、同社主催のイベントに加えて、宮ヶ瀬でイベント開催を希望する外部主催者のサポートも検討する方針だという。継続的なイベント誘致を通じ、宮ヶ瀬エリアをライダーが自然と集まる新たな拠点として育てていくことを目指すとのこと。

2025年12月1日には、寄付に対する感謝状が清川村から贈呈された。贈呈式に臨んだ株式会社バイク王&カンパニー代表取締役CEOの澤篤史氏は「このたびのパートナーシップ構築にあたり、ご理解とご尽力いただいた地域の皆様に深く感謝するとともに、これからもライダーと地域が共に発展できる環境づくりを進めてまいります」とコメント。バイク業界全体のマナー向上にも積極的に取り組む姿勢を示し、「感動と笑顔のあるバイクライフが、次世代の新しいライダーを生む」と期待を寄せた。

左:神奈川県清川村 村長 岩澤吉美、右:株式会社バイク王&カンパニー 代表取締役CEO 澤篤史

自身も週末にはバイクを楽しむライダーである澤氏は「“バイクライフの生涯パートナー”として皆様と共感する気持ちを活動に生かせるように努めてまいりますのでぜひご期待ください」と、ライダーの気持ちに寄り添った取り組みを推進していく意気込みを語った。

澤氏はハードなアドベンチャーツーリングも楽しむ“ガチ”なライダーでもある

自然とツーリング文化が共存する宮ヶ瀬を舞台に、地域と企業、そしてライダーが“ともに”新しい価値を生み出す挑戦が、本格的に動き出した。宮ケ瀬に走りに行くのが、今後ますます楽しみになりそうだ。

INFORMATION

住所/東京都世田谷区若林3-15-4
電話/0120-50-8190