掲載日:2025年01月15日 プロが造るカスタム
取材協力/THE COOL RIDE
取材・写真・文/ガスグラフィックス
ビッグスクーター業界は、元々が4輪関連の業務を手掛け、スクーターブーム時に
2輪業界にも参入してきたメーカーやショップも数多く存在した。今回はアメリカンスタイルのカーカルチャーに精通しつつビッグスクーターも手掛けた、福岡県北九州市にあるTHE COOL RIDE(ザ・クールライド)のヤマハ・マグザムをご紹介したい。
ヤマハ・マグザムの特徴は、純正デザインの時点でローフォルムにこだわり、それまで人気を博したマジェスティシリーズとは一線を画したビジュアルにある。そのためマグザムをベースとしたカスタムの方向性は、この純正デザインを活かすことが主流であった。そして、いかにライバルと差別化していくか。ユーザーとプロショップは、この難題に挑戦をし続けているのだ。
そういう視点でこのマグザムに注目すると、極限まで純正のイメージを壊さないこと。それが、THE COOL RIDEが導いた答えであると気付く人も多いだろう。確かにフロントとサイドにはエアロを装着。さりげなくロングホイールベース化され、フレーム着地という大技もこなしている。細部を見れば、ハンドル回りやカバー類などを完璧なまでにオールメッキ化。ヘッドライトも内部のみ加工と、純正らしさは各部から溢れている。そして、派手なペイントなどを施さずに純正ブラックのままでまとめた佇まい。これこそが、究極のシンプル系と呼ばれるスタイルなのだ。
一見、誰にでもマネができそうなカスタムの内容だが、目立たない場所で大技を使い、それを主張することなくさりげなくまとめる。このマグザムは、15年以上も前にお披露目された車両だが、今でも学ぶことが多いと気付かされた1台だった。
ハンドル、スイッチボックス、グリップ、ミラー、そしてブレーキホースなど、メッキ系で美しくまとめた。特に、コルゲートチューブの使用を最小限にし、ブレーキホースをメッシュ化したことが、完成度の高さの理由。
オーディオデッキはグローブボックス内に収納。定番のアルパインを使用している。
表皮はエナメル、デザインはダイヤタックで仕上げたフルフラットシート。低さを極めつつ、ラグジュアリー感を損なわないように作られている。
リア回りは、エアロなどは装着せずにノーマルのまま。しかし、バーバラモーターサイクルズのブラケットを使用して、ロングホイールベース化が施されている。
マフラーは、走行時の車高に上げた際に見える位置でまとめた。この絶妙な位置関係、輪切りで完成させたダウンタイプのマフラーエンドなどはオルガによるもの。
潔いほどにスムーズな面構成が特徴のトップモスト製TADDYフェイス。そして、サイドも同社のTADDYサイドフェイスでまとめたことで一体化も抜群。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!