掲載日:2024年03月13日 プロが造るカスタム
取材協力/OKUTO CORPORATION & CLOVER 取材・写真・文/ガスグラフィックス
沖縄発祥のエアロブランドであるクローバーは、当時から斬新なアイデアを元に、様々なデザインを採用したエアロを発売していた。その中でも特徴的だったのが、ハイスペックシリーズだ。これは、ロングホイールベース加工を施した車両を前提として作られた市販エアロで、一般的にはワンオフ加工で対応するような長さやアグレッシブなデザインを、そのままポン付け可能なボルトオンエアロとして発売した画期的な商品だった。
このCJ44系スカイウェイブは、2009年当時の「トランスクーター」誌で表紙を飾った車両である。ブーム到来と共に、各社が似通った雰囲気のエアロを乱発していた状況を冷静に受け止め、一目でクローバーだと分かる独創的なデザインを各部に採用。しかも、他社ではありえないような、「こんなパーツも市販するの?!」といういい意味で驚かされるエアロが商品展開された。その驚きを与えることこそが、クローバーが目指していた揺るぎないテーマだったのだ。
このCJ44系スカイウェイブ用で印象的な製品は、ロングアンダーパーツ、インナーパーツ、リアアンダーパーツ、そしてFRPシートだ。詳細は各写真で解説するが、どの商品もデザイン性だけではなく、実用性から考えられたアイデアエアロであることを強く実感する。エアロメーカーとして本土から離れた土地で勝負するために、いかにインパクトを与え、かつ意味のある商品を世に生み出すか。同社のその情熱を感じ取ってほしい。
ハイスペックシリーズは、独特なウネリのあるデザインが特徴。このロングアンダーパーツは、ロングホイールベース化した際に出てしまう車体とエンジンの隙間をカバーしつつ、風をエンジンに導くことで冷却効果ももたらすように作られている。また、純正インナーカバーに被せて装着するインナーパーツも、他にはない画期的エアロだ。
乗り心地よりもデザイン重視で作られることが多いフラットシート。クローバーでは、この硬質なFRP製でも、できる限りのホールド性を得られるように造形されている。
テールランプ下のエアロがリアアンダーパーツ。タイヤが剥き出しとなりリアフェンダー装着が難しいロングホイールベース&4輪ホイール装着車に向けて、水や泥はねを防ぐように作られている。横部分にはトリプルダクト風デザインも採用。テールランプはマツダ・RX-8用を流用。こういったワンオフ加工が得意だ。
シート下のインナーボックスも、ビッグスクーターとしての実用性をハードカスタムでも得られるようにという思いを込めて作られている。機能性もふまえてドレスアップパーツを製品化しているのが、クローバーの魅力のひとつである。
チョップタイプながら、メーターカバーの丸みをそのまま活かした斬新デザインがポイント。サイドエアロもハイスペックシリーズとしての大胆さに溢れる造形だ。
オリジナルでセパレートハンドルも用意。コンパクトなライディングポジションで、スポーティスタイルが好みなユーザーに支持された。
16センチまでのスピーカーが取り付けられるように作られたオーディオボックス。5センチ以下のツィーターも増設できるようにデザインされている。
ハブをワンオフで作ることで、5穴の17インチホイール装着に挑戦。エアロメーカーでありながら、カスタムショップとしての機能も果たしていたクローバーのチャレンジングスピリッツを、当時の状況を知らない現在のユーザーにもぜひ知ってもらいたい。
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