掲載日:2024年01月10日 プロが造るカスタム
取材協力/OKUTO CORPORATION & CLOVER 取材・写真・文/ガスグラフィックス
ビッグスクーターが大流行していた時代に、沖縄本島で孤軍奮闘し、本州に住むスクーターファンに向けて様々な情報を発信し続けていた専門店があった。その名は「クローバー(CLOVER)」。元々はFRP製品を手掛けるエアロブランドだったが、沖縄本島ではビッグスクーターのカスタムを専門的に手掛けるお店が無いという理由で、自らカスタムなどを手掛けるショップとしての機能も開始。エアロメーカーとしては、海を越えることでの運送費高騰という逆境も跳ね除けて、本州のプロショップと共に業界を盛り上げていた。
現在は、クルマや船舶などのマリン製品、さらには児童施設用設備なども手掛けており、本来の会社名とブランド名を併用した、オクトコーポレーション&クローバーという名義で活動を継続している。
クローバーの特徴は、各車種に対して、様々なエアロを多数ラインナップしていることだ。例えば、ここに紹介しているスズキ・スカイウェイブ(CJ43用)のフロントフェイスだけでも、数タイプのデザイン違いを用意。また、他では見られない斬新なアイデアを採用した、オリジナリティに富むパーツが溢れるほど用意されていた。沖縄にいながらも、メーカー&ショップとしての存在感は全国規模で認知されていた。
今回登場したスカイウェイブは、2009年に製作された1台。フロントフェイス、サイドカウル、リアスポイラーといった定番パーツは当然だが、フロントから一体化されたアンダーカウルや、乗車側とタンデム側を区別したFRP製一体型シート。また、その下側に隠れるシート下インナーボックスなど、普通だったらワンオフ加工の一点ものとなりそうな品々が、ボルトオン装着可能なエアロとして商品化されたことが話題になった。また4輪ホイール装着のための3穴から4穴への変換ハブも、ワンオフ品ではなく市販化できるよう努力するなど、ユーザーに対して「ハードなスタイルをできるだけ手軽に」という作り手の意思を、強く感じ取れる車両だった。
流行に左右されながらも、沖縄でしっかりと生き抜いてきたクローバー。FRP職人としての腕と頭脳は、健在だ。
当時人気だった二眼タイプデザインを採用。コンセプトは「悪ラグ」だった。純正メーターを残したままメーターカバーをカットするチョップドタイプ。なお、これがタイプ5と呼ばれるデザインで、他にもタトゥー柄などが存在。サイドカウルは、2連ダクトでロー&ワイドを強調している。
一体型のFRPシートと言えばフラットタイプが多いが、クローバーは、低さ、二人乗り、エアブラシ可能、という3点を重視してこのスタイルを生み出した。
リアスポイラーは、FRPシートとの一体感を意識。しかも通常とは逆に開くのが特徴。その下のリアアンダースポイラーは、サイド部に4連スリットを装備。かつ、リアスポイラーとの長さのバランスを整えている。
当時、密かに人気となっていたセパレートハンドルも手掛けていた。スポーティを演出するための必需品だった。
リアホイールのデザインを見せるため、マフラーは左側へと取り回すスタイル。こちらもクローバーによるワンオフ品。
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