掲載日:2023年04月17日 プロが造るカスタム
取材協力/GOTTY
取材・写真・文/ガスグラフィックス
ビッグスクーターブームを巻き起こした張本人である「マジェスティ」の冠が付けられた車両が生産終了となって、早くも6年が過ぎる。既存のビッグスクーターの概念を覆した初代。爆発的大ヒットを記録した2代目。欧州市場も意識することでアルミフレーム化され名称にも「グランド」が追加された3代目。そして、当時の最新技術を駆使して、快適かつ実用性に優れた4代目。22年の歴史の中で、それぞれの世代に個性があり、カスタムユーザーからもいい意味でそれぞれの好みが分かれるという、スクーター業界に多大な貢献をしたのがこのマジェスティシリーズだった。
今回紹介する大阪ゴッティが製作したこちらの車両は、最終モデルとなる4代目、通称「4D9」をベースとしたもの。外装は各部へのエアロ装着と電飾追加。車体はフレーム加工によるロングホイールベース化と、それに合わせたローダウン。ロー&ロングという言葉がそのままピタリと当てはまるこのスタイルこそ、エンジン交換による4輪ホイール装着が主流となる直前の、定番ハードカスタムの手法だった。ゴッティはこの4代目が世に生まれた時代に創業しているため、マジェスティが大好きな同店代表である鶴内さんの趣向で、当初から「4D9」へのカスタムにも情熱を注いできた、という経緯がある。
この4代目は初期型の過走行車であれば、乗り出し価格15万円ほどで見つかるものもある。年式に関係なく走行距離が極端に少ない個体は50万を超えるものもあるが、カスタムの素材として検討すると、価格と車両状態のバランスが取れた購入しやすい車両でもあるのだ。一気にハードなスタイルを目指すのではなく、この4D9マジェを足掛かりに、ローダウン、エアロ装着、マフラー変更と、順番を追って楽しんでいく。スクーター初心者にこそ、そのひとつひとつの工程を積み重ねて、スクーターで遊んでいってほしいと思う。
フロントとサイドはゴッティのオリジナルエアロ。フロントはシャープなヘッドライトデザインと、シンプルな面構成が美しい。またチョップタイプではないため、メーター周りの移設は不要であることも重要。サイドはお約束のフィン付きタイプ。これだけでラグジュアリー感が高まる必携アイテムだ。
フロントホイールのスポーク部は、フィンと同様のレッドメタリックでペイント。リム部分はブラックと塗り分けており、足元の印象を視覚的に引き締めている。ブレーキキャリパーもスポークと同色にするのは定番技。
ゴッティのオリジナルリアカウルとのバランス感が素晴らしいフレームの長さ。完成形のスタイルを想像し、そこから最適な長さを決めることで、ご覧のようなまとまりを作り出すことができるのだ。マフラーもトライオーバルのショートタイプサイレンサーで4D9マジェスティの存在感に似合っている。
エナメルシートもボディ同色で2トーン化。パイピング部分とワンポイントで入れられた星型のロゴがレッドメタリックに。こういった細かい質感の追求も、車両に一体感をもたせるために必要なテクニックだ。
ハンドルまわりやフットプレートの一部もレッドメタリック化。メーターもノーマルのまま活用しているのがよく分かる。オーディオボードを使ってスピーカーを増設したり、LEDなどの電飾で遊ぶのは、ビッグスクーターだからこそできるテクニック。他のバイクにはないその楽しみも、ゴッティは大切にしている。
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