掲載日:2021年02月24日 プロが造るカスタム
取材協力/TOP MOST 取材・写真・文/ガスグラフィックス
初代マジェスティ(通称4HC)は1995年に誕生した。それまで発売されていた250ccクラスのスクーターと比較して大柄な車体、原付スクーターと同様にシート下の大容量メットインスペースの確保に加え、21馬力というクラス最強エンジンの搭載により利便性が高く、さらにデザイン性も優れていたことが大ヒットの要因だった。そしてこの車両の登場が、後のビッグスクーターのカスタムが盛り上がる要因だったことは間違いない。
その後、マジェスティC(2代目)の登場によりこの初代は少しずつ第一線から退いていったが、未だに愛してやまないコアなユーザーは存在している。今回紹介するこの4HCは、車両入手から15年、ひとりのオーナーによってずっと愛され続けてきた希少な1台だ。カスタムとメンテナンスをトップモストが手掛けており、4HCに対するオーナーの思いをしっかりとくみ取りながら、大切に維持されている。
この車両が好例だが、4HCをベースとしたカスタムはスポーティ路線のスタイルが好まれる傾向が強い。マジェスティC登場以降のブーム最盛期ではフルエアロがマストアイテムだったが、この4HCに限ってはフロントフェイスぐらいしか社外エアロの販売がなかった。また純正デザインがシンプルで秀逸だったこともあり、この素材を活かした方向性、つまりスポーティ路線が主流となったように思われる。その結果、外装よりもローダウンとそれに伴うバランス重視のロングホイールベース加工。そして、ブレーキ周りの強化に伴い、ハンドルやシートを変更することでやや前傾となるライディングポジションの獲得。後継車種では得にくいこのカッコよさこそが、4HCユーザーが愛してやまない永遠のスタイルなのだ。
初代マジェスティの初期型(1995年~1996年)はリアがドラムブレーキだった。そのためこの車両は、マジェスティCへのエンジンスワップをしたことで、必然的にリアブレーキもディスクに変更。リアテール中央部をカットしてのロングホイールベース化も4HCならでは。ちなみに、1997年にリアディスク装着のマジェスティ250SV、1998年にはそれをベースにABSも装着した250ABSが発売されており、型式が4HCではなくどちらも5CGとなる。中古車を探している人は参考までに。
エアロを装着するのではなく、純正スクリーンを取り外しそのベース部分をそのまま流用してカーボン化。現代のように大がかりな外装加工を施すのではなく、純正デザインをそのまま活かしてもスタイルがまとまるのが4HCの魅力。なお、ヘッドライトは中央部に単眼プロジェクターを設置。
4HC乗りが当時憧れたこちらのシートは、新井コウテツ製バケットシート。クッション性の高さを確保しつつ新たに腰部のホールド性を高め、さらにシートそのものの厚みなどは抑えてスタイリッシュなデザインを獲得している。当時で10万円を超える価格設定だったが、その費用対効果は抜群。
ノーマルの面影が一切ないハンドル周りとメーター部。ライザーから変更し、真一文字のドラッグバータイプハンドルは、セパレートハンドルとは異なるスポーティ感が獲得できる。純正メーターは取り外し、カーボンパネルとエースウェル製デジタルメーターに換装した。
フロント足周りはベルリンガーキャリパーを採用。フロントフェンダーは大胆にカットし、軽快感を獲得。ホイールはリム部をボディと同色のホワイト、ディスク部をフェンダーやフロントフォークボトムケースと同色のブラックにすることで、絶妙な色合いのバランスを表現している。
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