
掲載日:2017年08月19日 試乗インプレ・レビュー
取材・文・写真/野岸"ねぎ"泰之
Noodoeは専用のアプリをスマホに入れ、スマホと車体をBluetoothで接続することで使用が可能になる。バイクのメーターパネルに表示できるのは、時間、天気、目的地や仲間の位置を示すコンパス、速度計、スマホの通知表示。そしてバイクから離れたときには、自車の駐車位置をスマホのアプリ上で表示することもできる。
車両のメーターデザインはスマホ内で色や書体を選択可能。背景に自ら撮影した画像を使うこともできる。まずスマホアプリ上でメーターをデザインし、それを車両と同期することで車両のメーターがスマホ上でデザインしたものに変わるというわけだ。なお、メーターデザインはNoodoeクラウド上にアップロードされた他のライダーが公開したデザインを選択することもできる。
バイクをネットワークと結ぶシステムは他のメーカーでも検証や導入準備が進んでいるが、Noodoeは他に先駆けて実用化されたものと言える。今後、キムコの正規販売店の位置情報はもちろん、ライダーにとって有益な施設の位置情報などの反映も検討されていくようだ。個人所有のスマホの通信性能に左右されるシステムではあるが、こうしたバイクの可能性と利便性の追求は、装備や走りだけではない新たな車両の魅力となっていくのかもしれない。
先進機能はメーターシステムだけにとどまらない。エンジンは軽量ピストンやローラーロッカーアーム、斧型の軽量クランクを採用。ケイヒン製のインジェクションシステムとの組み合わせで、アクセルレスポンスも良く、鋭いスタートダッシュを可能にしている。ゼロスタートからの加速では、125ccクラスのスクーターを置き去りにできる爽快感があり、その走りにストレスを感じることはないだろう。
走り出してから瞬く間に法定速度に車体を押し出してくれるエンジンは、よどみなく車体を高速域まで加速させていく。これはVVCSと呼ばれる油圧を利用した可変バルブ機構を備えているためで、低速時はトルク強化し、高速域に入るとパワー重視のセッティングにシフトするための比類ない伸びやかな加速といえるだろう。
コーナリング時の安定感も好印象だ。軽量化されたアルミ製メインフレームと下吊式のエンジンマウントによる低い重心位置により、不安なくバイクを左右に振ることができる。発表によれば40度以上という深いバンク角を実現しているというが、そこまで倒せる安定性があることの証でもあるだろう。足回りの前後バランスも良く、直線安定性やコーナリング中の自然な旋回力など、安心して運転できる足回りに仕上げられている。このレーシングS150は、先進の情報機能とスポーツモデルとしての走り、高速道路にも乗れる利便性を高次元でバランスさせた、スクーターの新時代を告げる意欲作といえるだろう。
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