掲載日:2016年09月29日 試乗インプレ・レビュー
取材・文・写真/野岸"ねぎ"泰之
シート高は810mm、これはヤマハのグランドマジェスティ400より50mm高く、T-MAX530に比べても10mm高い数値。国産250ccクラスのスクーターの多くが700mm前後なので、乗り換えるとかなり高く感じるだろう。ただ、一度走り出してしまえばアイポイントが高く、見通しがいいので快適だ。
399ccの水冷4バルブ単気筒エンジンは最高出力26.5kW(36ps)/7,500rpm、最大トルク37.7N・m(3.8kgf・m)/6,250rpmを発生する。一般道で信号待ちからアクセルを開けると、弾かれたように強力なダッシュを見せ、あっという間に法定速度の60km/hに達する。このあたりの加速は250ccクラスとは段違いだ。車体は大きいが、加速や取り回しは俊敏でスポーティなため、渋滞のすり抜け以外では市街地走行でストレスはない。タコメーターの回転数を見ると、高速道路で100km/h巡航をするのにも十分すぎるほどのパワーの余裕があることがわかる。速度域が上がっても走行風や巻き込み風はあまり感じられなかったことから、フロントスクリーンの防風効果はかなり期待できるだろう。
ブレーキも俊敏な動きに対応できる、強力なストッピングパワーを持っている。フロントには280mm径のラジアルマウントキャリパーを持つダブルディスク、リアは240mm径というどちらも大径のウェーブタイプディスクブレーキを採用。ボッシュ製ABSを標準装備しているため、急制動時の安定性も高い。キムコが放つこのマシン、名前のとおりエキサイティングな走りを約束してくれる1台といえそうだ。