

掲載日:2015年09月18日 試乗インプレ・レビュー
取材・文・写真/田宮 徹
フロントフォークは、一般的なモーターサイクルと同じように、上下クランプによって支持されるテレスコピック式となっている。15年型で、倒立タイプを新採用した。インナーチューブ径は41mm。セッティング調整機構はない。
15年モデルでは、フロントブレーキキャリパーにラジアルマウントタイプを新採用している。ディスク径は267mmで、ダブル式とすることで優れた制動力を生みだしている。なお15年モデルから、ABSが全車標準装備となった。
リヤブレーキも当然ながらディスク式で、282mmの大径タイプ。制動力や放熱性に優れ、スクーターならではのリヤブレーキを多用する乗り方にも対応してある。この油圧式ブレーキ機構とは別に、機械式の後輪ロック機構を備える。
左右別体式でアルミダイキャスト製のリヤアームを装備。高剛性ながら軽量で、前輪分布荷重の向上にもつながっている。後輪駆動にベルトドライブ式を採用することで、スロットル操作に対してリニアな加速特性を追求している。
排気系は、軽量アルミ鍛造製ピストンやアルミ製バランサースリーブなどを採用することでロス馬力低減も徹底したエンジンから、車体右側にいわゆるかち上げスタイルで配置された迫力いっぱいのサイレンサーにつながる。
快適な乗り心地を追求するため、ライダー用のバックレストは固定式、シートオープン機構はリヤヒンジ式を採用する。車体後部には、左右分割式のグラブバーを標準装備。ちなみに、後席用フットレストは可倒式となっている。
リヤヒンジ式のシートは、ダブルでダンパーを備え、上質な開閉フィーリングを実現。大径ホイールのため、シート下のトランク容量は少なめだが、それでも30Lが確保され、フルフェイスヘルメットも入る。自動ON/OFF照明付き。
ハンドル下部右側のインナーパネルには、小物類やドリンクなどの収納に使えるフロントトランクを装備する。シートの解錠などがセンタースイッチ式なのに対して、こちらの収納部はスマートキー内蔵のメカキーでロックを操作する。
ハンドル下部の中央部には、ハンドルロックのON/OFFやシートトランクの解錠を行うためのセンタースイッチを備える。左側インナーパネル部には、15年型で新たにDC12V電源ソケットが設けられた。右側は、ロック付きの小物入れだ。
15年型で新たに、スマートキーシステムを採用。こちらのキーを身につけて車両に近づくと、スタートスイッチを押すだけでハンドルロックが解除される。スマートキーには、燃料給油口やフロントトランクの解錠に使うメカキーが内蔵される。
メーターパネルも、15年型でニューデザインに。高級クロノウォッチのイメージを持ち、左側に指針式速度計、右側に同じく指針式の回転計、中央に多機能液晶パネルが配されている。液晶部には、外気温や燃費も表示可能だ。
15年型では新たに、省電力で照射性に優れ、しかもユニットの軽量化が図れる、LED式のデュアルヘッドライトを採用している。ブーメラン形状のポジションランプにも、高輝度LEDライトを採用。精悍なイメージに仕上げてある。
価格(消費税込み) = 105万8,400円/109万800円
スポーティな走行性能と、フルオートマチック変速スクーターの利便性を、高い次元で融合させたモデル。13年型で4代目となり、この15年モデルはその熟成版となっている。
■エンジン型式 = 水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ
■総排気量 = 530cc
■ボア×ストローク = 68.0×73.0mm
■最高出力 = 35kw(48PS)/6,750rpm
■最大トルク = 53N・m(5.4kgf-m)/5,250rpm
■燃料供給 = フューエルインジェクション
■トランスミッション = Vベルト無段変速式
■サイズ = 全長2,200×全幅775×全高1,420mm
■ホイールベース = 1,580mm
■シート高 = 800mm
■車両重量 = 222kg
■燃料タンク容量 = 15リットル
■Fタイヤサイズ = 120/70R15
■Rタイヤサイズ = 160/60R15
■ブレーキ形式(F/R) = 油圧式ダブルディスク/油圧式シングルディスク
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