ヤマハ マグザム
ヤマハ マグザム

ヤマハ マグザム – 滑るように走る美しき移動体

掲載日:2010年07月22日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

ヤマハ マグザムの特徴

ヤマハ マグザムの画像

ローアンドロングの車体がもたらす走り
これこそがマグザム最大の特徴

マグザムの特徴であるロングホイールベースと低く設計された車体。確かに、こうした要素がスタイリッシュな外観を構成していることは間違いない。しかし、実際に試乗してみるとデザインよりもむしろ走りを重視した結果がこうなったのではないか、と思うほど優れた車体構成であることがわかる。マグザムのホイールベースは 1,615ミリ。同じヤマハの250ccスクーターであるマジェスティの1,550ミリと比較しても65ミリも長い。また、シート高は655ミリであり、これもマジェスティの700ミリより45ミリも低い。マジェスティも安定性に優れるモデルだが、マグザムはそれよりも大幅に長く低く設計されているのだ。

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一方、こうした車体を実現するためにビッグスクーター系の乗り物では重視されるトランクは犠牲となった。フロント、シート下、リアの3箇所に設けられるものの、容量は実用上最小限といったところ。タンデム特性に優れるとはいっても、2人で数日に渡るロングツーリングに出掛けることまでは想定していないのだろう。エンジンは水冷4ストローク4バルブDOHC単気筒で排気量は249cc。最高出力は14kW(19PS)/6,500rpm、最大トルクは22N・m(2.2kgf・m)/5,000rpmというパフォーマンス。取り立ててパワフルではないものの、ボア×ストローク66.0mm×73.0mmというロングストロークエンジンのトルクフルなキャラクターがマグザムにピッタリだ。

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また、非常に良くできた自動遠心式クラッチやフューエルインジェクションと相まって出足も良く、見た目以上に元気な走りも可能である。前後のディスクブレーキはやや硬質なタッチだがコントロール性に優れ制動力も十分。ビッグスクーターでは多用するブレーキを引き摺りながらの低速走行も得意だ。イグニッションは一般的なキー式でリモコン式シャッターを装備する程度だが、使い勝手に不満はない。このように、詳細に見れば豪華装備があるわけでもなく、低く長い車体設計以外には大きな特徴がないとも言えるマグザム。それゆえ、クルーザーとしての走りは一級品でも、利便性には少々物足りなさを感じることも事実だ。しかし、シボレー・エルカミーノなど往年のアメ車を思い起こさせる美しい車体を前にしては、些細な不満など取るに足らない。そう考えるユーザーも多いのではないだろうか。

ヤマハ マグザムの詳細写真は次ページにて

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