ヤマハ ドラッグスター400 長期インプレ vol.03【積載テクニック編】

掲載日:2016年04月12日 トピックス    

取材・文/西野 鉄兵(『アウトライダー』編集部)

ノーマル車の積載は工夫が必要!

いよいよツーリングへ行こうと思ったのだけれど、ノーマル状態のドラッグスター400は荷物を積むのにかなり工夫が必要な車両だった。

そこで、今回はさまざまな積載方法と便利な純正オプションパーツをご紹介したいと思います!

まずはリアシート周りをご覧あれ。とてもすっきりしていて美しいのだが、荷掛けフックなどがなく、リアバッグを留めるためのコードやベルトを装着するのが難しい。

「日本車なら絶対に積載への配慮があるはず!」と信じて探っていくと、ヤマハのさりげなさすぎる心づかいを発見できた。それが下の写真だ。

リアフェンダーのサイドプレート下に3センチほどの切れ込みが入っていたのだ! スタイリングにこだわるヤマハならではの配慮というべきか。これはユーザーでもなかなか気づかなそう。この両サイドプレートの切れ込みだけで、さまざまなパッキングが可能となる。

まずはシンプルにストレッチコードを使ってみる。ストレッチコードはバイク用品メーカーのものはもちろん、アウトドアショップやホームセンターでも売っている。コードの直径が8ミリか10ミリの太いものがしっかりしていていい。長さはさまざまあるが、筆者のおすすめは60cm程度のもの。これが4本あれば、たいていの荷物はどんな車種でも固定できる。ホームセンターなら1本300~500円程度だ。

ストレッチコードをサイドプレートの下の切り込みに引っ掛けるとご覧のようになる。サイドプレートは金属製。プレートはリアフェンダーにボルトでしっかりと固定されているため、ここに加重がかかっても外れたり曲がったりするおそれはない。

リアシートの前側はタンデムベルトを固定している金具が使える。金具に直接かけてもいいが、筆者は細引き(ロープ)で輪っかを作り、写真のようなかたちで簡易的に荷掛けフックを作った。

この細引きの輪っかを使うメリットは、コード先端のフック部分だけでなく、途中の部分でも自在に引っ掛けられることだ。コードの長さが上手く合わない場合もここで折り返せば対応できる。

前述した前後左右4カ所にストレッチコードをかけ、リアバッグを積載してみた。バッグの容量は30リットル、幅は50センチほど。60センチのコードを4本使い、クロスと平行に引っ掛けることでバッグをしっかりと固定できる。この積載方法はツーリングマガジン「アウトライダー」で代々受け継がれている、もっともシンプルでがっちり固定できるやり方だ。

後ろから見るとこんな具合に。横幅50センチ程度のバッグは問題なく固定できる。タンクが張り出しているので、横幅60センチくらいまでならバランスよく積載できるだろう。

少々手間のかかる別の方法もご紹介しよう。写真のようにリアシートの下に輪っかを通すこともできる。これなら、輪っかを付けっぱなしにしても失くすことはない。

リアシートの下に輪っかをくぐらしたい場合は、まずリアシートを外す必要がある。シート後ろのボルトを一本外せば、取り外せる。

シートをひっくり返して輪っかを仕込む位置を確認する。4カ所あるゴムパーツの部分がリアフェンダーと設置するポイントなので、この部分をまたぐようにする。この状態でひっくり返してシートを元通りボルト締めすれば完成。ちなみに、リアシート下に収納スペースはない。

取り付けベルトが付属したバイク用リアバッグを積載するには?

ストレッチコードなどを使わず、取り付けベルト(ストラップ)が付属したバイク用リアバッグを積載したいという人も多いでしょう。これにも少し工夫が必要だ。写真の「ラフ&ロード×旅具屋」製のリアバッグで、取り付け手順を追っていこう。

このバッグには写真の取り付けベルトが付属している。バッグの下部とリアシート周りを点で接続し固定する、一般的なリアバッグの取り付けベルトだ。

前側の固定箇所はタンデムステップの付け根を利用した。これは手間なく簡単に付けられる。

問題は後ろ側。さきほどストレッチコードを引っ掛けた切れ込みを利用し、写真のようにベルトを通す。切れ込みの幅はこの手のベルトにぴったりなので、前後にずれることがない。ただ、ここにベルトやバックルを通すためにはサイドプレートのボルトを緩め、リアフェンダーとサイドプレートの間に一度隙間を作らなければならない。

サイドプレートは4カ所のボルトで留まっている。それをヘキサゴンレンチ(六角レンチ)で緩めていき、隙間をあけていく。

隙間があいたらベルトやバックルを通す。緩めたボルトはしっかり締めなおそう。これでベルトの取り付けは完成!

ベルトとバッグを接続した。バッグのサイズはW52×D28×H26センチで容量34L。数泊分の着替えなどが収まるこんな大きなバッグもドラッグスター400にはよく似合う。リアシートの座面がラウンドしている(丸くなっている)ため、ボックスなど底面が硬い素材のものは安定せず積みにくそうだ。

サドルバッグとタンクバッグはどうか?

クルーザーモデルにはサドルバッグもよく似合う。ただ、ノーマル状態での装着はおすすめできない、というかかなり危険!

後ろから見ると、タイヤに巻き込まれそうなのが分かる。オプションのサドルバッグサポートを装着しよう。

ワイズギアの純正「スマートサイドバッグサポート」(片側:税込6,480円)はシンプルな設計で取り付けも簡単そうだ。写真は左側用。ヘルメットホルダーを使いやすくするためのワイヤーも付属している。このサポートは荷掛けポイントも付いているので、リアシートへのパッキングも行ないやすくなる。

続いてタンクバッグを装着してみた。装着したものはB5判のサイズの地図も入れられる大きめなタイプ。タンクの横幅が広いため、さまざまなタンクバッグを付けられるだろう。マグネットタイプ・吸盤タイプ、いずれのタンクバッグでも装着できる。

積載性をアップするオプションパーツ

ドラッグスター400は20年も続くベストセラーバイク。だからワイズギアからリリースされている純正オプションパーツが充実している。まずは定番のリアキャリア(税込10,800円)。サイズは235×210ミリ。これをリアシートの後ろに装着すれば、悩まずに積載ができる。

スタイリングを損なわず積載性をアップさせたければ「ビレットラゲッジフックセット」(税込3,024円)がいい。いわゆる荷掛けフックだ。このフックをサイドレールに4カ所付けたら、それだけでパッキングはとてもシンプルになる。

純正のサドルバッグも用意されている。「スマートサイドバッグ」(税込19,440円)は質感が高く、使い勝手もいい。在庫はあとわずか!

そのほかにもさまざまな純正オプションパーツが用意されていて、ロングツーリング仕様にカスタムすることもできる。興味のある方はワイズギアのホームページをご覧あれ!

次回からはいよいよシチュエーション別の走行インプレを行ないます! どうぞご期待ください!

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