ロードホッパー Type 5i
ロードホッパー Type 5i

ロードホッパー Type 5i – リジッドフレームを現在の技術を用いて蘇らせた

掲載日:2011年11月10日 試乗インプレ・レビュー    

ロードホッパー Type 5iの試乗インプレッション

ロードホッパー Type 5iの画像

リジッドフレームに不安や偏見を持っている人はまずは乗って見るべし
Vツインならではの、ゆとりある世界観を存分に味わえるはずだ

低く構えたハンドルバーとフォワードステップの組み合わせは、そのスタイルから「キツイかな……」と誤解を招くかもしれないが、そこは日本の成人男性の平均身長を基準に吟味されたポジションであるがゆえ、身長175cmのテスターの場合、十分にゆとりがあり、まさにジャストフィット。ステップは前方にあるように見えて、実は自然に足を投げ出した位置で待ち構えており、ヒザはゆったりと曲がったままである。

イグニッションスイッチは車体左側のバッテリー横にあり、キーをひねって電源をオン。インジェクション化されたエボリューションエンジンは、セルボタン一発で元気よく始動し、アイドリングは低い回転数で安定している。発進時も、極低回転域から潤沢なトルクを発揮してくれるおかげで、クラッチをミートさせるのに半クラなどを使う神経質さはない。鼓動感がしっかりとある一昔前のエンジンとリジッドフレームの組み合わせは、駆動輪が路面をとらえるダイレクト感が味わえ、痛快そのもの。

ロードホッパー Type 5iの画像

路面からの振動は乗り手に容赦のないものだろうと覚悟を決めていたものの、乗り味は思いのほかマイルド。どの方向から、どれだけのストレスがかかるのか入念に検討し、車両全体のパッケージングにジャストな設計がなされた専用のリジッドフレームだけあって、路面からの衝撃をフレームが適度にしなることで巧みに逃がし吸収している。

ロードホッパー Type 5iの画像

それでも残る微振動は、さらにスプリングの付いたサドルシートで、ストローク速度のゆったりとしたものに変換され、大らかで心地良い独特とも言える動きとなる。スプリンガーフォークとのマッチングはこの上ないもので、ハンドリングは品の良さを感じるほどしなやかだから不思議だ。前後同サイズのバルーンタイヤは、車体を寝かし込むところで切れ込む特性があるが、これは ROAD Hopper Type 9i と同様に持ち味のひとつだと考えよう。ハンドリング自体は軽快で思いのほかスポーティ。ノンビリと距離を稼ぐツーリングも、これなら楽しめそうだ。リジッドフレームに不安や偏見を持っている人はまずは乗って見るべし。シルエットの美しさはもちろん、Vツインエンジンの鼓動感やH-Dならではのゆとりある世界観を存分に味わえるはずだ。

ロードホッパー Type 5iの詳細写真は次ページにて

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