

掲載日:2011年10月27日 試乗インプレ・レビュー
真ちゅうフリクションカラーによる減衰効果、長く好調と安全を維持するコの字支持のロッカーピボット部、サスペンションストローク後期に粘りを持たせるバンプラバー、ロードホッパー専用に何セットも試作しながら決定した最適なバネレートなど、カスタム向け部品とは違った見どころをいくつも持つ完全自社製作のスプリンガーフォーク。
絶妙な曲がりを持たせたハンドルバーは、ライダーに自然な前傾姿勢を提供。両手を前に出したところにグリップがあり、ポジションはナチュラルなのものとなっている。真ちゅうのハンドルクランプがアクセントになった。
シンプルな小径スピードメーターは右側にオフセットされ、文字盤は黒、速度表示はkmを採用。クロームメッキのメーターリングと真ちゅうのボディとステーが組み合わされ、コンパクトでありながらも高級感を感じさせる。
オイルランプ、ウインカー&ハザード、燃料計、ニュートラル、ハイビーム、排気管といった各種インジケーターはヘッドライトバイザーに埋め込まれた。余計なものを排したチョッパースタイルでありながらも必要な装備をスマートに搭載している。
約10リットルの容量を持つフューエルタンクはアルミ製とし、腐食によるガソリン漏れなどのトラブルを未然に防ぐとともに、車両の軽量化にも大きく貢献。飽きの来ないシンプルなフォルムで、カラーはブラックパール、アズキ、アイボリーの3色が用意される。
ハーレー乗りなら知らない人はいないだろう、愛知県岡崎市のゼロエンジニアリング。同社のエンブレムが、職人に丹精を込められペイントされている。カスタムフリークであるなら、憧れの象徴となるであろう。
肉薄なソロシートは足つき性の良さをもたらすが、長時間乗ってもお尻が痛くなることがなかったから不思議だ。シートは硬めで、車体全体のヴィンテージ感をより強調するものに。右下にはオイルタンクがあり、熱を感じる。
リアフェンダーとタイヤの間のクリアランスは、ご覧の通りピッタリ。これはリジッドフレームの特権であったが、Type 9i ではそのルックスをサスペンション付きで実現。テールランプ&ウインカーはオーソドックスな形状だ。
搭載するエンジンは、前後のシリンダーに1本ずつカムシャフトを配置するツインカム88。1999年~2006年、エボリューションの後継としてハーレーダビッドソンが送り出したビッグツインエンジンで排気量は1450cc。5速ミッションとフューエルインジェクションが組み合わされ、ハイスピードでの巡航を可能にしている。
自己潤滑作用を持つ真ちゅうを用いたステップまわり。真ちゅうとクロームメッキの質感が絶妙なバランスを生み、どこか落ち着いた「和」の雰囲気が漂う。ステップは折りたたむことができ、車体を押す際も足に引っ掛かることはない。
車体右サイドに並行に伸びる2本のマフラーはブラックアウトされたショートタイプ。サウンドは音量規制に適合しながらも、Vツインらしい歯切れの良いもの。真ちゅうを使ったマフラーエンドも「和」を感じさせる。オイルタンクには熱対策のレザーカバーが設けられた。
説明を受けなければ、リジッドフレームとしか見えないリアまわり。ファイナルドライブはチェーン式で、カバー類も最低限の装備。MFバッテリーを剥き出しに積み、キーをさし込むイグニッションスイッチはシート左下に位置する。
リジッドフレームならではの美しいスタイリングをそのままに、サスペンション付きがもたらすソフトな乗り心地を実現した Type 9i。その立役者がこのショックアブソーバー。“マルチリアアーム・サスペンションシステム”と名付けられた独自の機構で、ショックユニットは地面に対して縦方向に取り付けられている。
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