ロードホッパー Type 9i
ロードホッパー Type 9i

ロードホッパー Type 9i – PLOTとゼロエンジニアリングが夢のコラボ

掲載日:2011年10月27日 試乗インプレ・レビュー    

ロードホッパー Type 9iの試乗インプレッション

ロードホッパー Type 9iの画像

気がつけば、いい速度計の針が大きく回り込んでいる
走る楽しさを作り手が本気で追求したことを随所に感じた

地を這うようなロー&ロングなスタイリングは、まるでカスタムショーから抜け出してきたかのような佇まい。きっと多くの人が、スタイルを優先させた結果、走りが犠牲になっているだろうと先入観を抱くだろう。実際、自分もそうであったように。

ただしエンジンをスタートさせ、クラッチを繋いだ瞬間から、それが誤解だったことに気づく。言うまでもないが、身長175cmのテスターの場合、足つき性に不安を感じることは一切ない。ステップはフォワードコントロールといえども、自然に足を出したところにあり、ヒザは余裕を持って“くの字”に曲がる。乗車するまでは、ハンドルは低く遠くにあるように感じたが、実際は両手を出したところに待ち構えていて、ポジションはやや前傾気味のごく自然なものとなるから不思議だ。このフィット感の良さは、紛れもなく日本人が真剣につくりこんだ証しといえよう。

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フューエルインジェクションと組み合わせたツインカム88は低回転域でも粘り、神経質さは皆無。高回転まで胸のすく加速が味わえ、気がつけば速度計の針が大きく回り込んでいる。リアショックがしなやかに動き、路面からの衝撃を吸収。リジッドフレームよりも乗り心地は格段に上で、元気よく回るエンジン、そしてナチュラルなポジションも手伝って、ツーリングにも出かけたくなる完成度の高さだ。

ハンドリングにつべこべ言うのはナンセンスでしかないが、角のあるタイヤは車体を寝かし込んでいったところでズバッと倒れ込むクセがあり、これもまた特徴のひとつとして楽しめばいいだろう。以前乗ったときには、シート下のオイルタンクから伸びているホースクランプが剥き出しで、右足の太ももが熱かった記憶があるが、今回乗った車両にはレザーカバーが設けられていて、ささやかながらも、そういった細かいネガな部分を解消していたのにも好感が持てた。

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スプリンガーフォークは大きな段差を乗り上げたあとも減衰力がしっかり効いていて、それが前時代的な構造を成していることを走行中は忘れてしまうほどだ。フロントブレーキのタッチに曖昧さはなく、コーナーの進入でブレーキを積極的に使ってもフォークとのバランスに違和感を感じることはない。リア中心の減速ではなく、フロント重視でキビキビ曲がり、ワインディングでは意外なほどスポーティ。気がつけばいいペースで旋回しているから、コーナリングもつい夢中になってしまう。

眺めて磨いて飾るだけでなく、走る楽しさを作り手が本気で追求したことを随所に感じるロードホッパーの最新作 Type 9i 。今回の試乗はムービーの撮影を含めたため丸1日がかりとなったが、疲労度は少なく絶えずオートバイを操る楽しさを感じることができた。販売台数が僅かでしかないのが惜しいが、それもまたオーナーの所有欲を満たしてくれることだろう。欲しい人は迷っている暇はない。気になる人はまず試乗していただきたい。

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ロードホッパー Type 9iの詳細写真は次ページにて

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