【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!!

掲載日:2026年09月22日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/小松 男 衣装協力/Alpinestars Japan

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! メイン画像

SUZUKI BURGMAN 400

普通自動二輪免許で乗れる最大排気量クラスのスクーター、スズキのバーグマン400。1998年にスカイウェイブ400として登場して以来、余裕を持つ走りと高い利便性で、日本はもとより世界中で支持されてきたビッグスクーターだ。ゆとりあるシート下スペースや足つきの良さ、そして400ccならではの高速巡航の安定感は、通勤からツーリングまでこなす実力を今も変わらず見せつけている。そんなバーグマン400の2026年モデルには、一部仕様変更が施された。進化の中で守り続けてきたもの、そして今回変わったもの。改めてこのベテランにスポットを当て、その実力を確かめてみた。

「ビッグスクーターブーム」とは何だったのか、
令和の今の世に、再び考えてみる

もはや、すでに死語的な扱いなのかもしれないが、いわゆる「ビッグスクーター」と呼ばれるセグメントがある。その歴史を遡ると、1984年にホンダから登場したスペイシー250フリーウェイ、そして1986年に登場したフュージョンが発端となった。当時としては珍しい250ccクラスの水冷エンジンを搭載し、「高速道路を走れるスクーター」として一定の注目を集めたものの、まだ市場を席巻するほどの存在にはなり得なかった。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 01画像

潮目が変わったのは、1995年8月にヤマハから登場したマジェスティ250だ。それまでの250ccスクーターが「おじさんの通勤の足」というイメージだったのに対し、スポーティかつリラックスしたライディングポジション、大容量のメットインスペース、そして洗練されたデザインを引っさげて登場。発売から2年後の1996年には250ccクラス登録台数1位に輝く大ヒットとなり、これをストリート系カルチャーの若者たちがこぞってカスタムし始めたことで、いわゆる「ビッグスクーターブーム」の火付け役となった。1999年に登場した2代目は、その流れを他メーカーも巻き込む全面的なムーブメントへとさらに加速させることになる。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 02画像

スズキが参入したのは1998年2月に登場したスカイウェイブ250から。同年10月には、上位モデルとなるスカイウェイブ400を追加投入する。当時のスクーターとしては最大排気量となる385cc・32psの水冷単気筒エンジンを搭載し、余裕のある走りとモアパワーを求める層から絶大な支持を受けるヒット作となった。

ビッグスクーターの流行が過熱するのと並行して、ヤマハ・TMAXやホンダ・シルバーウイング600といった、大型自動二輪免許クラスのモデルも登場。スズキもこれに対抗する形で、2002年にスカイウェイブ650を投入している。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 03画像

ビッグスクーターカスタムは一つのカルチャーとして定着するかのように見えていたが、大きな節目を迎えることになる。2006年に施行された改正道路交通法による、バイク駐車違反取り締まりの厳格化だ。慢性的な駐車場不足に加え、民間の駐車監視員による取り締まりが始まったことで、スペースを取るビッグスクーターは置き場所を失っていった。

その後、ホンダ・PCXが登場した2010年頃を境に、原付二種クラスや150~200cc程度に抑えたコンパクトなスクーターの利便性が見直されるようになり、現在に至る。

そうしたサイズのトレンドが変化していく中で、スカイウェイブ400は2017年8月、フルモデルチェンジとともにグローバルネームである「バーグマン400」へと名前を統一。その系譜を絶やすことなく、約20年に渡って積み重ねてきたビッグスクーターとしての価値観を、現在まで受け継ぎ続けているモデルなのである。

スズキ BURGMAN 400 特徴

前世紀から着実に
“ビッグスクーターのあるべき姿”を進化させてきた名機

バーグマン400が背負う思想は、一貫して「ゆとり」だ。原付二種クラスのコンパクトスクーターが主流となった現在においても、あえて400ccという排気量を選ぶ理由。それは、高速道路巡航や長距離移動までも見据えた、大柄なボディと余裕のパワーによる快適性にほかならない。

全長2235mm・ホイールベース1580mmという堂々としたサイズ感に、シート下トランクスペースは42L。フルフェイスヘルメットとオープンフェイスヘルメット、それぞれ1個ずつを収納できる容量を確保しながら、フロントには右3.5L・左2.8Lの小物入れも備える。この「積める・仕舞える」という部分に、実用車としての本気度がにじむ。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 04画像

走行性能面では、2021年に採用されたスズキトラクションコントロールシステムが引き続き装備される。リアタイヤのホイールスピンを検知するとエンジン出力を抑制する仕組みで、オフへの切り替えも可能。同時期にスズキデュアルスパークテクノロジー(1気筒あたり2本のスパークプラグを持つ機構)やインジェクターの高微粒化も採用され、令和2年国内排出ガス規制への対応と、上質な出力フィーリングの両立を実現している。

そして2026年モデルでの一部仕様変更が、植物由来のバイオエタノールを10%混合した「E10ガソリン」への対応だ。スズキは今年3月発売のVストローム800を皮切りに、順次ラインアップへのE10対応を進めており、バーグマン400もその流れに加わった形になる。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 05画像

エンジンや車体、主要装備といった基本構成そのものに変更はなく、外観上はリフレクティブブルーメタリック、パールマットシャドーグリーン、マットブラックメタリックNo.2という新色3色と、ゴールドカラーのホイールが与えられたのみ。つまり、大きく作り替えるのではなく、時代の変化に対応しながら熟成を重ねていくという、バーグマン400らしい進化の仕方がここにも表れている。

数字や装備だけを見れば、派手な変更は何もない。しかし、この積み重ねこそが、約30年近くにわたって国内メーカー唯一の400ccスクーターとして存続し続けてきた理由でもあるのだろう。実際に走らせて、その熟成の中身を確かめてみたいと思う。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 06画像

スズキ BURGMAN 400 試乗インプレッション

これさえあれば他に何もいらない。
そう思わせてくれる一つの究極系

最近のメインストリームとなっていることもあり、150~200ccクラスや原付2種スクーターの試乗テストを行うことが多い。そのような中で、久しぶりに目の前にするビッグスクーター、バーグマン400は、堂々としておりその迫力に好印象を受ける。

はじめに言っておくと、私はビッグスクーターが好きだ。フュージョン2台、フリーウェイ、マジェスティなどを乗り継ぎ、半年前までフォーサイトも所有していた。そして今回のバーグマン400の祖先にあたるスカイウェイブ400の初期型も登場間もなく所有し楽しんでいた。

そのような視点も踏まえ、現在におけるビッグスクーターの立ち位置、そしてバーグマン400の感触を探っていくことにする。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 07画像

車両に跨ってみると、思っていたよりも車重は軽く思え、しかも足つき性も抜群に良い。ビッグスクーターはアンダーボーンフレームを採用することがほとんどで、車体下部に燃料タンク、さらにはシート下のユーティリティスペースを持たせるという構造上の理由から左右に幅が広く、コーナーでリーンさせた際のバンク角も確保しなければならないので、見た目以上に足つき性が悪いモデルが多かった。

しかし着座部分の厚みを持たせながら絶妙にシェイプされたシートや下におろした足を避けるように切り込みが入ったステップボード形状のおかげで、足つき性の向上が図られている。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 08画像

エンジンを始動し走り出す。昨今はどのクラスのスクーターも駆動系が具合よくセッティングされているモデルが多く、特にスタートダッシュの瞬発力は高いと思っている。その上で、400cc近い排気量を持つバーグマン400のトルク感は別次元と言える太さがある。それこそこのトルクを求めて、初代スカイウェイブ400に手を出したのだが、駆動系やエンジンのパフォーマンスなど当時と比べて別物と言える。

中でも加速感や振動の少なさは特筆すべきものがあり、スロットルを軽くひねるだけで、スムーズかつグイグイと車体を前へと押し出してくれる。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 09画像

実はスカイウェイブ400の最終モデルと比べて、バーグマン400は若干コンパクトなパッケージとなっており、車重に関しても約8kgもの軽量化を実現している。これが、市街地を走る際に効いてくる。軽快に走らせることができ、交差点一つ曲がるだけでも車格からは想像できないほどクイックかつ小さく回ることが出来る。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 10画像

高速道路も得意のステージだ。それこそ先述したビッグスクーターブームの頃は、スクリーンをカットするのが定番のカスタムだったうえ、メーカー側がショートスクリーンにした純正カスタム仕様をこぞってマーケットに導入した。

だが、個人的にはそれはあまり受け入れられるもので無かった。というのも、ノーマルのフュージョンで始まった私のビッグスクーターライフは、走行風が体にあたらなく快適に高速クルーズできることということを大きなメリットに感じていたからだ。どちらかといえば乗用車的な快適性を二輪車で得られる。これをビッグスクーターに求めていたのである。

それを考えるとバーグマン400はなんと優秀なことか。絶妙な長さのスクリーンは視界を妨げることなく、しっかりと走行風からライダーを守ってくれる。ライディング中に目に入ってくるハンドルカバーやメーターなどコクピットのデザインも高級感があり好印象だ。

高速道路を使っていると、淡々と、どこまでも走り続けることが出来る。そう思えてくるのである。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 11画像

郊外に足を延ばしワインディングロードにも持ち込んだ。そこで伝わってきたのは驚くほど車体全体のバランスが良いことだった。スカイウェイブ400時代にフロントタイヤは13インチ、14インチと徐々に大きくなり、バーグマン400では15インチまで引き上げられている。対してリアタイヤは13インチのままである。それを考えると“立ち”が強まる傾向なのかと思えるが、とても自然にフロントが切れてゆくのだ。

サスペンションのストローク量に関しても多いとは言えないが動きが良く、ややオーバースピード気味にコーナーに飛び込んでも、リアタイヤを寝かし込むと、自然にフロントタイヤの舵角が生まれ、気持ちよいリーンアングルが生まれる。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 12画像

トラクションコントロールが装備されている安心感もある。タイヤ径が小さくバンク角も浅めのビッグスクーターは、転倒するライダーも少なくなかった。私もその経験があり、探りながらコーナーを攻めるようになったのだが、バーグマン400では何ら怖いことがなく、快感的なものも得ながらワインディングロードを駆け抜けることが出来るのである。

なお、2026モデルでE10ガソリン対応となったとあるが、そもそも現時点、国内でE10ガソリンを提供しているガソリンスタンドを見かけたことがないため、使用してのインプレはできないのだが、今後普及することが予想されるものであるし、その時には良かったと思えるに違いない。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 13画像

今ふと思い出したのだが、私が16歳で免許を取得して、すぐにビッグスクーターにはまった理由の一つに、タンデムライドでの快適性というものがある。10代の私にとって別に所有するレーサーレプリカでワインディングロードを攻めることを楽しむ一方で、デートマシンとして欠かせない存在だったのだ。

こう言っては何なのだが、バーグマン400の新鮮さは薄い。だが、スカイウェイブ400から始まり四半世紀以上続いてきた時間の中で、着実に熟成してきた感触はある。通勤通学、仕事の足など毎日快適に乗り回すことができる上、ロングツーリングやデート使いもできてしまう。いま改めて、バーグマン400の存在意義を十分理解したとともに、魅力あふれるモデルであることを再確認することが出来た。

スズキ BURGMAN 400 詳細写真

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 14画像

フロントには41mm径の正立式フォークを採用し、110mmのホイールトラベルを確保。タイヤサイズは120/70-15。制動装置は油圧式ダブルディスクで、大柄な車体をしっかりと受け止める。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 15画像

リアタイヤは150/70-13。サスペンションはリンク式モノショックで、プリロードは7段階で調整可能。ブレーキは油圧式シングルディスクを採用する。オレンジのホイールカラーが足まわりのアクセントになっている。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 16 画像

大型のスクリーンとツインヘッドライトが構成するフェイスマスク。スズキのエンブレムを中央に配し、精悍さと上質さを両立したデザインだ。ミラーもワイドでしっかりとした後方視界を確保する。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 17画像

左に速度計、右に回転計を配したアナログ2眼式に、中央の液晶パネルで時計や外気温、オドメーターなどを表示。速度計内のオレンジ色のインジケーターは、トラクションコントロールの作動状況を示すものだ。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 18画像

S.A.I.S(スズキ・アドバンスド・イモビライザー・システム)を採用したキーシリンダー。LOCK・OFF・ON・PARKの切り替えに加え、シート開閉用のシャッターボタンも並ぶ。左手前に見えるクロームのレバーはパーキングブレーキだ。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 19画像

高級感のあるハンドルカバーに包まれたコクピット。バーハンドルがそのまま露出するタイプではないことが好印象。スイッチボックスもシンプルにまとめられており、上質な仕上がりを演出している。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 20画像

左右分割式のフロントインナーボックス。奥行きのある右側(3.5L)には携帯電話の充電などに使える12V DCソケットを装備し、左側(2.8L)にはバッテリーが収められている。左右ともロック機構は持たない。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 21画像

足を揃えても、前方に投げ出しても様になるフラットなステップボード。足つき性に配慮し、下ろした足を避けるように切り込みが入れられているのもポイントだ。「BURGMAN」の刻印が主張しすぎず品よく添えられている。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 22画像

アンダーボーンフレームに搭載される水冷単気筒DOHC4バルブエンジンと、Vベルト式CVTを組み合わせたユニット。実測での燃費は、174km走行に対し、給油量は4.68Lだった。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 23画像

LEDを用いたコンビネーションランプが特徴的なテールセクション。「BURGMAN」のロゴがボディサイドに配され、シート両サイドのグラブバーは、ウイングのような形状で纏められている。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 24画像

先代スカイウェイブ400より20mm厚いクッションを採用しながら、スリムな造形にまとめられたシート。ダブルステッチが質感を高め、パッセンジャー側後方にかけてのシェイプにもゆとりが感じられる。

【スズキ バーグマン400 試乗記】大胆にしてジェントルなパフォーマンス! 一台でなんでもこなせる欲張り仕様!! 25画像

42Lの容量を誇るシート下トランク。フルフェイスヘルメットとオープンフェイスヘルメットを同時収納できるゆとりがあり、内部にはSUZUKIロゴ入りの工具入れも備わっている。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

愛車を売却して乗換しませんか?

2つの売却方法から選択可能!

方法1.オークション

出品前買取相場が分かる!
3000社の中から最高入札店のみとやり取りで完結。

方法2.買取一括査定

業界最大級の加盟店数!
最大12社一括査定
愛車が高く売れるチャンス

メーカー

郵便番号

タグで検索