掲載日:2026年06月22日 フォトTOPICS
取材協力/Piaggio 写真・文/小松 男

2026年5月20日、21日の2日間にわたり、神奈川県の大磯ロングビーチ特設会場で開催された「第11回JAIA輸入二輪車試乗会・展示会」。様々な輸入二輪メーカーの最新モデルに触れることができる貴重な機会となっている。メディア関係者向けのイベントのため一般ユーザーは参加できないが、BikeBrosマガジンズではイベントの様子をブースレポートとしてお届けしている。今回はピアッジオグループのブースをピックアップした。
ピアッジオグループは、ベスパ、アプリリア、モトグッツィなど複数のイタリアンブランドを擁する欧州最大級の二輪メーカーグループだ。
2026年はベスパ生誕80周年という節目の年。アニバーサリーリミテッドエディションが発表されるなど、ブランド全体が祝賀ムードに包まれている。
グループ内でも長い歴史を持つモトグッツィは、V7シリーズやV85 TTなど、伝統を現代へと受け継ぐラインアップを展開。一方のアプリリアはMotoGPをはじめとするモータースポーツシーンで存在感を発揮し、若い世代を中心にスポーツモデルファンから支持を集めている。
アプリリアといえば、MotoGPで活躍する小椋藍選手の存在も見逃せない。トラックハウス・レーシングからアプリリア陣営のマシンで参戦しており、昨日のチェコGPでは2位でチェッカーを受け、今季2度目の表彰台に上がった。日本だけでなく世界中のファンからも大きな注目を集める存在となっている。
そんな小椋選手の活躍にも後押しされ、今回はフルカウルスポーツモデル「RS660 Extrema」に試乗。そのショートインプレッションとともに、ブースに展示された注目モデルを紹介していこう。

ピアッジオグループのブースには日本でメインに展開しているアプリリア、モトグッツィ、ベスパの3ブランドから11台の最新モデルが展示されていた。

ベスパは手前からGTV、GTS、GTS 80th。ヘッドライトの位置や、カラースキームなどでキャラクターを表現しているが、誰が見てもベスパだとわかるアイコニックさがポイントだ。

伝統的なデザインでありながらも、今見ても斬新さを感じさせるベスパ・プリマベーラ。この車両には様々な純正アクセサリーが装着されていた。

個性的な縦置きレイアウトの空冷90度Vツインエンジンにより、独特なフィーリングを楽しめるモトグッツィ。V7スポーツとV7スペシャルが用意された。

アプリリア・RX125は原付二種クラスでありながら、フルサイズで本格的なオフロード走行を楽しめるモデル。モタードバージョンのSX125もラインアップする。

アプリリアのRS660 Extremaは、一言でいえば「ライトウェイトスポーツのひとつの指標」と呼びたくなる一台だ。コンパクトな車体に100psを発揮する並列2気筒エンジンを搭載し、SCプロジェクト製サイレンサーやカーボンパーツによる軽量化も実施。見た目からしてスポーティだが、走り出せばその印象はさらに強まる。
まず驚かされるのは車体の軽さとハンドリングの鋭さ。ライダーの意思に対する反応が非常に素直で、ワインディングではまるで車体がひと回り小さくなったかのような感覚を味わえる。高回転域まで一気に吹け上がるエンジンも痛快で、スポーツライディングの楽しさを存分に感じさせてくれる。
ただし、その軽快さは決して「おとなしい」という意味ではない。操縦安定性重視のスポーツツアラーとは方向性が異なり、ライダーの入力に対して機敏に反応するため、調子に乗ってペースを上げるとヒヤリとする場面もある。だからこそ、このモデルにはスポーツバイクならではの緊張感と面白さがあるのだ。
乗りやすく、それでいて速い。ロードスポーツモデルを学びたいライダーにとっては格好の教材であり、こういったモデルで修業を積んだライダーはスキルが上達するものなので、スーパースポーツ好きなら一度は触れておきたい存在だ。
MotoGPマシンとはもちろん別物だが、アプリリアのレーシングスピリットを感じながら走っていると、ほんの少しだけ小椋藍選手になったような気分を味わえるぞ。

RS660 Extremaは、MotoGPマシンから着想を得たアグレッシブなスタイリングが特徴。空力性能を意識したフェアリングやコンパクトな車体により、スポーティさと扱いやすさを高いレベルで両立している。

659cc水冷並列2気筒エンジンは最高出力100psを発揮。低中速域の扱いやすさに加え、高回転域まで気持ちよく吹け上がる特性が魅力だ。街乗りからワインディングまで幅広いシーンで楽しめる。

フロントには調整機構付きのKYB製倒立フォークを装備。しなやかな初期作動と十分な剛性感を備え、スポーツ走行時も高い接地感を維持する。機会があればサーキットでも試してみたくなる仕上がりだ。

特徴的な3眼LEDヘッドライトを採用するフロントマスクは昆虫を連想させるもの。これにより、ひと目でアプリリアと分かる個性的な表情を作り出している。

シート高は820mm。このカテゴリーとしては標準的な設定で、足つき性もおおむね良好だ。セパレートシートを採用しながらタンデム走行にも対応している。

フルカラーTFTディスプレイを標準装備。視認性に優れ、ライディングモードや電子制御の設定状況もひと目で確認できる。先進的なコクピットまわりもRS660の魅力のひとつだ。

セパレートハンドルによる前傾姿勢はやや強めで、スポーツライディングを意識したポジションとなっている。一方でスイッチボックスは直感的に操作でき、各種電子制御の設定変更もスムーズだ。

リアサスペンションはスイングアームとの組み合わせにより高い路面追従性を発揮。Extrema専用装備となるSC-Project製サイレンサーは軽量化にも貢献しており、スポーティなサウンドも魅力だ。

シャープに絞り込まれたテールセクションもRS660の見どころ。テールランプはシートカウル後端に美しく収められ、グラブバーはタンデム時の利便性に加え、空力を意識したウイングレットとしての役割も担う。

スポーツ走行を意識したバックステップを採用。自然に荷重を掛けやすく、ワインディングでも扱いやすい。標準装備のクイックシフターは変速フィールも良好で、この種のモデルとしては珍しくヒールプレートを持たない点も特徴だ。








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