奈良~月ヶ瀬散策

掲載日:2007年01月28日 ツーリング情報局関西エリア    

歴史ある柳生街道を走る
ライダー好みの快走路です

1年に渡ってお届けしてきた編集部の関西レポートも最終回、来月からは新しい担当の方によるレポートです。最後のレポートの地に選んだのは、奈良が誇る名勝地「月ヶ瀬」。全国的に有名な奈良公園をスタートして、月ヶ瀬を経由して再び奈良公園に戻ってくるというツーリングコースです。奈良は大阪・京都・滋賀・三重・和歌山の中央に位置する県ですので、関西圏にお住まいの方は、比較的アクセスしやすく、日帰りツーリングスポットとしてはお手ごろな場所ではないでしょうか。

イメージそれではツーリングを開始しましょう。まずは奈良公園の鹿たちを横目に、国道169号線を北上して国道369号線に向かいます。369号線は「柳生街道」とも呼ばれている道路です。柳生街道は奈良と柳生を結ぶ古くからの街道。名前の通り、マンガ「バガボンド」の登場人物でもある、柳生新陰流「柳生雪舟斎」ゆかりの地であります。道脇には竹林などがあったりして、今でも剣豪が現れそうな雰囲気。柳生街道は、歴史的なことを思いながら走るというのも大変すばらしいのですが、なんというか道自体が大変気持ち良いんです。信号がほとんどなく、しかも古くからの街道でありながら、きちんと整備されており、道幅も充分にあります。かつ適度なアップダウンとコーナー。この道はバイクで走るために生まれた道と勘違いしてしまうほどの快適さです。私が走ったのは平日だったのですが、平日でもたくさんのライダーたちとすれ違ったり追い抜かれたり(私は、ほとんどトリップしながら走ってましたので、ばしばし追い抜かれました…)。たくさんのライダーたちとすれ違ったことからも、想像するに地元のライダー方々のツーリングコースに組み込まれているのではないでしょうか?私は思いっきりコーナーの苦手なバイクで走りましたが、無理なカーブは無く終始ご満悦でした。

梅が咲き乱れる
情緒深い月ヶ瀬

イメージ369号線を柳生下というところまでゆったりと走ると、道は県道25号線(笠置山添線)に合流します。布目川を横目に南下すると、今度は県央4号線に合流します(ちなみに、そのまま南下すると布目湖に到着しますが、ここは関西では屈指のブラックバスの釣り場となっております。興味のある方は、その方向に走っても良いかもですね)。

さて、4号線を東に走らせていると、梅の花がちらほら道脇に咲いているのに気が付きます。そうなんです、今回3月初旬のツーリングスポットとして月ヶ瀬を選んだ理由は、月ヶ瀬は梅の花で有名だからなんです。初春を真っ先に感じさせる花と言えば、やっぱり梅でしょう。月ヶ瀬は大正11年には名勝地に指定されており、月ヶ瀬梅林(梅渓)には、なんと1万本とも言われる梅が群生しております。道脇の梅もどんどんと増えていきますので、この4号線を走るときは、春の訪れを感じつつ、ついついよそ見がちになってしまいますのでご注意下さいね。さて、4号線を走っていると月ヶ瀬湖に到着します。ここに今回の真の目的地、月ヶ瀬梅林があります。月ヶ瀬湖の両脇は梅の花で囲まれており絶景です。どれくらい絶景かというと、たくさんの文化人からも賞賛をされており、例えば、かの芭蕉は「もやや けしきととのふ 月と梅」と歌い、また山頭火は「ここから月ヶ瀬といふ梅へ橋をわたる 五月川一目萬本月瀬橋」と歌い、谷崎潤一郎には「名所と云うものは行って見るとさほどでもない所が多い。けれど昔から花の吉野と並び称されている月ヶ瀬の梅ばかりは真にその名に背かない」とまで言わしめた場所なのです。そんな月ヶ瀬梅林を横目に、道は82号線へ。

暴走車と覆面に注意
名阪国道を突き抜ける

イメージ82号線に入り名張川を越えてまもなく真福寺という寺院があります。ここに参拝する際には「梅の小道」という梅の木が立ち並ぶ小道を登っていくかなければなりませんが、ここは非常に美しいトコロなのです。梅の花を愛でながら、道を進めば真福寺境内にある展望台へ辿り着きます。ここから見下ろす月ヶ瀬湖がこれまた絶景です。このあたりの名産は、お茶、烏梅(媒染剤)、お漬物、こんにゃくなどがあげられますが、今回は梅の小道を歩きながらこんにゃく田楽を食しました。梅の小道の入り口から真福寺までは、徒歩で約15分程度です。月ヶ瀬に訪れた際は、是非、歩いてみてくださいね!また、近くには「月ヶ瀬温泉」があります。私は温泉が大好き!なのでもちろん入浴しました。露天風呂が大変気持ちの良く、バイクの疲れを癒すには最適です。この温泉のある施設では食事もできますので、鋭気を養うには最適な施設になっておりますよ。さて、「暗くなる前に山道を抜けなければ、凍死してしまう!」というプレッシャーとともに、ツーリングの再開です。道はそのまま82号線を走り、国道25線と交わる「白樫インターチェンジ」まで突き抜けます。さて、ここまでは、比較的走りやすい道といっても山道。

イメージそうです、直球ど真ん中が得意な私のバイクは直進を欲してきているところだったんです。82号線を突き抜けてきた理由はこの国道25号線、通称「名阪国道」を爽快に走るためなのです。この名阪国道は、一般道としての存在なんですが、もはや高速道路(バイパス?)さながらの存在と化している道なんです。一般道なので、当然、通行料金は無料。片道は2車線で、追い越し車線を走行している車両は100km/hオーバーもざらに。ただし、この道の法定速度は60km/hですし、覆面パトカーもたくさん走っているという噂なので、あまり調子に乗り過ぎないように注意して走行を心がけます。白樫インターチェンジから、天理インターチェンジまで、爽快に飛ばしました。…っと、ここでもうひとつ注意点がありました。福住ICと天理東ICの間には、Ωカーブと呼ばれる急カーブがあります。この急カーブの存在が、「あぁ、ここは高速道路ではなく、一般道なんだな」と再確認させてくれる役割も担っていると思われるのですが、本当にスピードを出しすぎると、本当に曲がりきれない可能性がありますので、充分に気をつけてくださいね。

天理インターチェンジを降りると、道は169号線に。今回の私のツーリングテーマは、「奈良公園を基点に、周辺を1週する」なので、律儀に奈良公園へと戻ります。遠方からお越しの方は、天理インターチェンジを降りずに、そのまま走ると、西名阪自動車道につながりますので、そちらをオススメ致します。さて、奈良公園に到着後、かなり遅めの食事としゃれ込みます。かなり腹ペコだった私は、奈良公園付近で目についた「和風レストラン 南大門」で食事をとりました。注文したのは「大仏セット」です。正直、何が大仏なのかさっぱりわかりません。うどんと、おすしとわらび餅?のセットです。まぁ、極度の飢餓状態にありましたので、ものすごいスピードで平らげましたが(笑)。

ツーリングレポートは、これにて終了です。奈良公園を基点としておりますので、付近には、たくさんの寺社仏閣や、歴史的な遺産がありますので、体力と時間に余裕のある方は、更にここから散策しても良いかもしれませんね。また、奈良公園から1号線から西に走ると、生駒へと比較的すぐにつきます。ので、締めくくりは生駒山の夜景というのも素敵ですね!

>> 今回のルートマップはこちらから

スポット紹介

梅の里 月ヶ瀬温泉

住所/奈良県奈良市月ヶ瀬尾山2681

電話/0743-92-0388

営業/10:30~20:30

休日/第1,3火曜

南大門

住所/奈良県奈良市月ヶ瀬尾山2681

電話/0742-23-1414

営業/11:00~17:00 予約のみ 17:00~

休日/月曜

バイクブロスマガジンズ編集部
プロフィール
バイクブロスマガジンズ編集部

編集部スタッフによるバトンタッチ形式のレポートです。ターミー('97 XL1200C)は大阪、奈良、和歌山北部、佐藤('96 FXSTC)は兵庫県、和歌山県南部、田中('02 FXDL)は京都、滋賀をレポートいたします。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索