西宮~箕面の滝

掲載日:2006年11月28日 ツーリング情報局関西エリア    

冬だってツーリングは楽しい
意外に知らない地元を探検

こんにちは、編集部ターミーです。

とうとう冬がやってきてしまいました。寒くなるとバイクに乗るのが億劫になる方が多いようですが、私は冬にバイクで走るのは好きです。暖かい季節のときほど距離を走ることは(プライベートでは)ありませんが、寒い中バイクで走ると感じる顔がピリっと締まる感覚が好きなんです。日に2~300kmくらいなら、冬でも走っちゃいますね。今回のルートは冬でも楽しい私の散歩コース。走行距離で行くと100kmもないコースですので、真冬のショートツーリングには調度いいでしょう。普段は寄り道もせず駆け抜けてしまうコースですけれど、今回は前々から気になっていたところに立ち寄ってみました。慌しく駆け抜けるのもいいですが、寄り道をしながらのツーリングもなかなかよかったですよ。

イメージさて、今回のスタート地点は兵庫県神戸市の「御影公会堂食堂」です。阪神「石屋川駅」の北、国道2号線沿いにお店はあります。ここは70年以上の歴史を持つ、レトロな雰囲気の洋食レストラン。戦前に建てられた旧い公民館の地下1F営業されているため、外からレストランがあるのはわかりにくいので気をつけてください。隠れ家的な場所にあるものの、ここはTVや雑誌に何度も取り上げられていて地元では知られた存在です。昭和の香が漂う公民館に入り、地下に下りるといかにも美味そうな佇まいのお店が私を出迎えてくれます。友人に聞いたところ、オムライスとハヤシライスが有名とか。私はオムハヤシにチャレンジすることにしました。大食いの私には量的に物足りませんでしたが、デミグラスソースがかけられ中はフワっと半熟のオムライスの食感は素晴らしく、普段ジャンクフードばかりを詰め込んでいる私の胃袋も満足してくれたようです。そろそろ私もミソジですから、たまにはこんな上品なランチもしなきゃダメですね。

イメージ「御影公会堂食堂」でエネルギーの充填が終わったら、国道2号線を西宮方面へ向かいましょう。平日・休日を問わず交通量が多い道ですので、できるだけ早めに離脱したい道です。我慢して走ると、春には桜が綺麗な「夙川」を越えます。次の「神楽町」交差点を左に曲がり、県道82号を北上してください。しばらく住宅街が続きますが、六甲山が近づくにつれ、緑の多い景色が楽しめる道に変わってきます。さらに北に進むと「宝塚」と「六甲山」の分岐点に突き当たりますが、六甲山の方に向かいましょう。県道82号から県道16号に合流し、西に向かえば六甲山を登る道に入れます。今回の目的地は六甲山ではなく、県道16号を東へ走る宝塚方面がこのツーリングで向かいたい方向なのですが、久しぶりに寄ってみたいところがあるんです。一言注意をしておきますと、冬の六甲山はバイクで登らない方がいいトコロです。標高が高いため、登れば登るほど気温は麓より低くなってきます。

イメージ私もこの寒い中に六甲山を横断したいとは思いませんが、六甲山を登る道中に「神戸~大阪」を一望にできるマニアックなスポットがあり、そこに久々に行ってみたいんです。くれぐれも六甲山頂に向かう道はワインディングが多いので気をつけてくださいね。頂上へ向けてバイクを走らせていくと、左手側に「一軒茶屋」という登山者が休憩するお茶屋が見つかります。暖かい飲み物が飲め、トイレもあるので六甲を走るライダーの休憩ポイントとして便利なところです。しかし、実はココただの休憩ポイントじゃありません。ココには非常に眺めのいい展望スポットがあるんです。土がむき出しになっている駐車場にバイクを停め、登山者が麓から登って来る方に向かってください。アスファルトで固められた道もありますが、そちらではなく、膝くらいまで草が茂った獣道を数十mほど進みましょう。「道を間違えているんじゃ?」と不安になるかもしれませんが、真っ直ぐ進んでください。茂みを抜けると一気に目の前が開け、神戸空港の辺りから大阪湾までが綺麗に見える場所に辿りつきます。10年くらい前、休憩で一軒茶屋に立ち寄ったときに登山者の方からコノ場所を教えてもらい、それ以来、私のお気に入りスポットになっています。日中でも綺麗ですが、夜の夜景の方が素晴らしい場所ですよ。気温と天気に相談し、チャンスがあれば一度遊びに行ってみてください。ココは私が関西で最も気に入っているポイントの1つです。

宝塚名物「炭酸煎餅」
家へのお土産にピッタリです

イメージ厳寒の六甲山(青森や岩手と同じくらいの気温らしいです)に長居すると心が折れそうになってくるので、景色を存分に楽しんだら来た道を戻りましょう。麓まで降りれば県道16号を宝塚方面へ向かってください。標高が下がるほどに気温が上がっていくのを肌で感じるのがうれしいですね。ゴルフ場沿いの道を走り「阪急逆瀬川駅」辺りまでくだれば、寒さはもうそれほど感じないでしょう。六甲山に登り少々体が冷えるので、この辺りでちょっと休憩をしましょうか。

武庫川に沿って宝塚方面をしばらく走ると「炭酸煎餅本家 黄金家」という菓子屋があります。阪急宝塚駅と武庫川を挟んでちょうど反対側にあり、ココもちょっとは知られたお店です。炭酸煎餅をご存知ない方にご説明しますと、宝塚や近隣の有馬温泉で販売されているお菓子で、炭酸を含んだ温泉の源泉を使い作られる煎餅です。昔、祖母が温泉帰りによく買ってきてくれたような…記憶があります。オススメは「クリーム入炭酸煎餅」。煎餅にクリームが挟み込まれており、煎餅の食感とクリームの甘さがうまくミックスされています。愛想のいい店員さんに話しかけ、炭酸煎餅を何枚かサービスしてもらえました。黄金家で炭酸煎餅を、向かいのコンビニで缶コーヒーを買い、武庫川の河川敷をのんびり散策してみましょう。綺麗で落ち着く河川敷ですけれど、行き交う人は少なく、静かなときが流れています。大学生の頃は、学校帰りに宝塚まで走ってきて河川敷をよく散歩していました。冬だと川沿いを歩くのは少々寒いですけれど、川から伝わってくるひんやりとした冷気がなぜか心地よく感じられます。周囲には「宝塚歌劇団」の劇場があり、あたりにはそこはかとなく高級感が漂っていますね。関西の方以外は知らないと思いますが、宝塚は関西では「ちょっといい街」なんですよ。

旧きよき日本の原風景
箕面の滝を散策します

イメージ宝塚で休憩を取りブルジョワ気分を味わったら、大阪府の箕面市に向かいましょう。国道176号を走り「阪急池田駅前」から県道9号へ、しばらく進むと次なる目的地の「明治の森 箕面国定公園」に到着します。公園内には日本の滝百選に選ばれている「箕面の滝」があり、そこが次なる目的地です。滝へは「阪急箕面駅」から続く歩道を進まなければならずバイクを降りなければいけません。駅の周りには駐車スペースはないので、すぐ近くの「箕面スパーガーデン」にバイクを停めましょう。駐車料金がかかるのを覚悟していたのですが、嬉しいことにバイクは駐車無料でした。駐車するだけだと可愛そうですから、滝からの帰りに温泉に入ったり食事をしたり、きっちりお金を落としてあげましょう。さてさて、スパーガーデンにバイクを停めたら、すぐ近くにある展望広場でまったり休憩を。ココは山の中腹に位置しているため、箕面市周辺の展望が楽しめます。「箕面の滝」に向かうにはスパーガーデンから駅に降りる展望エレベーターに乗られなければいけません。下りは無料で上りは100円が必要になります。エレベーターを降りれば、「箕面の滝」に向かって伸びる道が続きます。道なりにお土産屋が連なり、寒くなってきたのに観光客がたくさん訪れています。普段から人気のある観光スポットなのですが、紅葉の期間中ということもあって賑やかな雰囲気ですね。ここに来たらぜひ食して欲しいモノが1つあります。どこの土産物屋でも売っている「紅葉のてんぷら」というお菓子(?)です。紅葉をてんぷらにしただけのモノなのですが、てんぷらにしてしまうと紅葉というより、鶏の足に見えてきます。試しに食べてみましたが…味の薄い“かりんとう”といった感じでしょうか。1つ2つ食べれば充分、家族へのお土産に買って帰ったら怒られるかもしれません(笑)。あくまでイロモノのお菓子だと思いましょう。

イメージ
滝へ進む道のりには、まだ紅葉の名残が残っています。ちらほらと残る紅葉も綺麗ですが、濁りのない水が流れる川に沈んだ紅葉からも情緒を感じます。普段のツーリングだとほとんど休憩を取らず走りっ放しなのですが、たまにはどこかに立ち寄って、落ち着いた名所を散策してみるのもいいものですね。緑に囲まれた道をのんびりと散策しながら登って行くと何か心が癒される気がします。五感のすべてから“癒し”を感じられるスポットでした。3km弱の緩い上り坂を進むと、目当ての「箕面の滝」に到着です。日本の滝百選と聞いて巨大な滝を想像されるかもしれませんが、滝の落差は33mほどでそれほど迫力がある滝ではありません。ただ、古きよき日本の原風景と言いますか、いかにも“和”な雰囲気で時間を忘れ見入ってしまいます。じっと滝を眺めていると周りの観光客の声や滝のしぶきの音は消え、ただ上流から落ちてくる水の流れに目が吸い寄せられてしまいました。昔、ここに来たときは夏前で涼しかった記憶がありましたが、冬に入ったこの時期だと少々寒さを感じます。くれぐれも防寒には気をつけてくださいね。

イメージ「箕面の滝」を存分に満喫し、今日のツーリングはほぼ終わりです。ただ、せっかくここまで来たのなら寄っておきたい場所があと1つあります。滝からそれほど遠くないところに珈琲がおいしい面白いカフェがあると聞いていたのです。滝から国道171号を京都方面へ走り「今宮」交差点を左に曲がると珈琲「蔵人珈蔵」というカフェがあります。外観は江戸時代の蔵のような作りで、店内に入ると和洋が組み合わさった情緒深い空間が広がっています。私は味の違いがわかる男ではないですが、珈琲は大好きなもので「美味いコーヒーを点てるお店」と聞くとつい足を運びたくなってしまいます。自宅で飲むコーヒーもいいですけれど、雰囲気がいい空間でのんびりした気持ちで飲むコーヒーはまた格別なものがありますから。ここは雰囲気だけではなく、豆にもこだわりがあるようでメニューの種類が尋常ではありません。ここまでメニューが豊富なカフェは…なかなかないでしょう。豆の種類によっては1杯で1,000円を越える珈琲があったのは驚きです。もちろん飲みやすい値段の珈琲もありましたよ(笑)。どの珈琲を飲むのかは好みとして、オススメなのは珈琲セット。季節のシャーベットと珈琲で作ったほのかな甘さの“わらびもち”が添えられたコーヒーセットをゆっくり味わい、寒さで硬くなった体を解きほぐしてもらいます。ツーリングの最後はやはり甘いモノで締めないとダメですね。ここはチェーン店ではありますが、なかなかオススメです。こだわった珈琲を味わうことができるので、近くに寄ったときはぜひ立ち寄ってみてください。

距離にすると大したことはありませんが、見て回るところの多いツーリングでした。街中からそれほど離れなくてもツーリングは楽しむことができるんです。今回は私の散歩コース上でオススメスポットを探し、立ち寄ってみました。皆さんも普段当たり前に通っている道で何かを発見してみてはいかがでしょう? いつもより少しスピードを落とすだけで、これまで気づかなかったお店やスポットが見つかるかもしれません。地元のスポットはみんななかなか知らないモノ。寒くて遠くへ行けないのなら、地元を走り回って探検する。そんなツーリングも楽しいものかもしれませんね。

>> 今回のルートマップはこちらから

スポット紹介

御影公会堂食堂

住所/兵庫県神戸市東灘区御影石町4-4-1 
御影公会堂B1F

電話/078-851-2959

営業/水~日、祝日 11:00~14:00、17:30~21:00(LO20:30)

月 11:00~14:00(LO14:00)

休日/火曜日

炭酸煎餅本家 黄金家

住所/兵庫県宝塚市湯元町9-27

電話/0797-86-2962

営業/9:00~19:00

休日/水曜日

珈琲「蔵人珈蔵」箕面店

所在地/大阪府箕面市石丸1-10-7

電話/072-727-5559

営業/8:00~24:00

休日/年中無休

箕面滝 大阪府営公園ガイドWebサイト

電話/072-721-3014(公園管理事務所)

URL/箕面滝 大阪府営公園ガイドWebサイト

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バイクブロスマガジンズ編集部

編集部スタッフによるバトンタッチ形式のレポートです。ターミー('97 XL1200C)は大阪、奈良、和歌山北部、佐藤('96 FXSTC)は兵庫県、和歌山県南部、田中('02 FXDL)は京都、滋賀をレポートいたします。

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