『ツーリングのつぼ』

お金の持ち運び方

掲載日:2013年12月17日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

レースの良いところは、1日しかなくても、レンタルのオートバイでも、同じ所をくるくる走っていても十分満足できることだ。しかしツーリングは、そんな短時間では満足できない。最初は日帰りで満足できても、紀行本を買って気分を高めたり、キャンプ用品を揃えたりするうちに、気がつくと日本地図を眺めながら一杯呑んでいるのが普通だろう。北海道1周よりも日本1周、日本1周よりも世界1周の方が上等に感じられるかもしれないが、それは優劣を競うのではなく、より強い刺激を求めるだけであり、とりあえずビールから飲み始めて、しばらくすると日本酒や焼酎に切り替える行為と、度が過ぎると家族に怒られる点で酷似している。

旅が長くなると、お金の持ち方に悩むと思う。結論から先に言うと、形ある物は盗まれてしまう。今のところ被害を減らすには、盗まれても補償が利く方法で、分散して保管する消極的な方法しか発見されていないのが残念だ。そのため、あまり多くの現金を持ち歩くのは感心できない。例えば1週間のツーリングなどでは、全予算を持って出発するのではなく、途中で休憩がてら金融機関に寄ってお金を引き出すのがいいだろう。そのツーリングの予算をどうやって貯めるかについては、文字数の関係で省略する。大豆先物取引をするとか子供のお年玉貯金を引き出すとか、各自工夫して欲しい。

日本の場合、手数料の必要がなく預金を引き出せる金融機関の数は、郵便局と農協が双璧だろう。特に郵便局は、かつて国営だったため、利用可能な時間に制限はあるが、人が住んでいれば採算を度外視してでも必ず支店が存在すると聞いたことがある。実際に、人口が数えられるくらいの離島に行った時に、郵便局があって助かったことがある。そもそも一般的な場所なら、コンビニのATMで24時間お金を引き出すことができるので(残高がある場合に限る)、これらを組み合わせれば、旅先で預金が引き出せない状況は無いと思う。

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