『ツーリングのつぼ』

電子機器と充電のしかた(2)

掲載日:2013年10月01日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

世界1周に持って行ったカメラは、キャノン New F-1 という、電池のいらない機械式シャッターだったし、露出計はセレン板という太陽電池で動くセコニック製スタジオ DX を持って行った。つまり、日光写真と同じように、全く電気を使用せずに写真を撮ることができたのだ。しかし、ストロボやヘッドライト、そしてラジオなどに電池は必要だ。バイクの発電機から電池に充電する装置は壊れてしまったので、ベルギーの電気屋で、コンセントに差し込む一般的な充電器を購入した。コンセントの形状は、丸棒が2本飛び出ているヨーロッパ共通のタイプだ。電圧は国によって異なり、日本は 100V だが海外では 240V とかが一般的だ。世界統一規格で作られている最近の電子機器は、どちらでも使うことができるケースが多い。例えばiフォンやデジカメの仕様書を見れば、“100V から 240V まで充電可能” という説明が書いてあるだろう。そういう場合、ただコンセントの形が異なるだけで変圧器は必要ない。

電圧の違いは数字が異なるほか、明らかに 240V の方が強くしびれたので、コンセントやスイッチのカバーが割れていたり、4配線や端子が剥き出しの場合、近寄ったり触らない方が賢明だ。南米のボリビアあたりでよく見かける電熱シャワーでは特に注意して欲しい。これは湯沸かし器やボイラーではなく、水シャワーの出口に電熱コイルを取り付けて、多少温かくするというシンプルな構造をしている。入浴時にゴムのサンダルを履いて絶縁の努力をするとか、ちょっと触ってみて、もし感電すれば急いで手を引っ込めるとかの工夫は、一度でもしびれれば真剣にできると思う。

そんな感電の恐怖を男らしく乗り越えてコンセントに差し込む充電器は、満充電までに6~8時間かかる。よく泊まる安宿では、たいてい寝る前にコンセントに差し込んで朝に回収する。しかし金銭的理由からドミトリー(相部屋)に泊まるケースが多くなると、その充電中に充電器ごと盗まれやすいという欠点が判明した。さすがに2度も盗まれると買い直すことをあきらめ、ソーラー式の充電器を探し歩くことにした。

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