『ツーリングのつぼ』

電子機器と充電のしかた

掲載日:2013年09月24日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

水と同じように、無くなってみないとその有り難味がわかりにくい物として電気がある。東日本大震災の後に計画停電があったが、あんな感じの停電をいきなりやるのが途上国の日常だ。特に現在のシリアなど内戦をしているので、一般家庭にまで電気や水が供給されているとは考えにくい。旅の醍醐味は、必要最低限の物だけを持って文明から離れ、大自然のふところに包まれ、心と体を休めることにある。特に電子機器は減らしたい。しかし、人によって必要最低限の物は異なる。私ですらヘッドライトとラジオ、カメラ、携帯電話に電気が必要だ。キャンプ場の片隅でモンハン4をピコピコやるのは、ゲーム会社の社員にとって重要な業務かもしれない。

もしヘッドライトが光らなければ、夜は暗く、コッフェルに入れる水の量を間違えてご飯を焦がしてしまうし、ストロボが光らなければ、決定的瞬間が撮れずピューリッツァー賞のチャンスを失うかもしれない。そしてラジオジャパンから流れる日本語が無いと、夜がヒマだ。1週間くらいの旅なら使い捨てのアルカリ電池でも構わないが、何ヵ月もの長旅ならば充電池が便利だ。私はストロボやヘッドライトなど、必要な物は単3電池を使う機器で揃えている。そうすれば、1種類の充電池を持って行けば済む。そこで問題になるのは充電方法だ。

旅の出発時には、ともに走るホンダ XLR の発電機から電気を分配して、単3電池に充電できる装置を友人が取り付けてくれた。北米大陸から出発した旅で、中米・南米あたりまでは機能していたが、ヨーロッパ滞在中に充電をしなくなってしまった。しかし、私の電気の知識にフレミング(フラミンゴかも)の法則は無く、電気は「見たことが無く、しびれる」という想像上のモノでしかないので、電子部品のつながった基盤の修理はできなかった。そのため、濃い青色にキラキラ輝いた、手のひらより1回りほど大きなソーラーパネルを手に入れた。そこから単3電池に充電できる。パネルをタンクバックの上にゴムで固定し、盗難防止のためワイヤーケーブルでつないでツーリングをしていた。

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