『ツーリングのつぼ』

キャンプの水筒

掲載日:2013年09月03日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

日本では、水不足と言っても断水の確率は少ないだろう。しかし、世界には停電も断水も普通の国がある。井戸どころか、川から直接飲み水を汲む地域も多く訪れたことがある。人が住んでいれば必ず水はあるが、それを持ち運ぶ水筒が必要だ。

世界1周では、2リットルのアルミ水筒と、1リットルのプラスチック水筒を持って出発した。しかし、水場が無い野宿では、米を炊いてちょっとしたおかずを炒め、皿を洗って歯を磨き、次の日の朝にコーヒーを飲むには、その量では足りなかった。パスタやラーメンならばもう少し水を節約できるけれど、トータルで5リットルあると、暑い時期でも余裕ができる。

使い続けて1年くらい経った頃、水道水の成分か、それともアルミの腐食だろうか、アルミ水筒の内部に白い固形物が付着しはじめた。それは固くてはがすこともできずに増殖し、コッフェルにカケラが出るようになったのでアルミ水筒を捨て、南米ではナルゲンボトルとペットボトルに水を入れてキャンプをするようになった。その水筒に入れた水が触れないほど熱くなる地域では、古くなった靴下やTシャツを水筒に着せて水で濡らし、気化熱で冷やすしか方法は無かった。

他の旅行者を観察してみると、カスケードデザイン社から販売されている “プラティパス” という商品名の、特殊ビニールでできた水筒を使っている人が多かった。見た目のチャチさとは裏腹に、南米でもアフリカでも多くの旅行者が使っていたので、かなりの耐久性があるようだ。使わないときに小さく折り畳める収納性はうらやましい。

日本ならどこにでもコンビニがあり、そこで冷えたビールも買えるので、飲み物に困ることは無いだろう。キャンプツーリングでは、調理用の水を運ぶため、エバーニューの2リットルのポリタンクを愛用している。そして、ステンレスの魔法瓶に氷と飲み物を入れて持って行く。たっぷりと氷を入れておけば、愛飲するカルピスは夕方まで冷たいのだ。途中で買った飲み物は、その場で水筒に詰め替えれば、飲み終えた空容器をいつまでも持ち歩かずにすむ。

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