『ツーリングのつぼ』

短波ラジオ(1)

掲載日:2012年11月27日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

いくら焚き火をしていても、旅館などでもないかぎり、ソロツーリングでは話し相手がいない夜もある。また、雨や雪の降る日、もしくは薪が落ちていないサハラ砂漠などでは、暇つぶしの焚き火すらできない。具体的に言うと、寒い夜は無理をせずテントに戻り、シュラフに入って文庫本でも広げ、チビチビ飲みながら秋の夜長を楽しもう。

そんな時間を邪魔しないのがラジオだ。ラジオがあれば天気予報やニュースなど実用的な情報、ラジオ体操で体調管理、そして流れてくる AKB48 の曲を大声で歌うことでストレス解消もできてしまう。ちなみにテントの中なら、ローソクが1本あれば本を読むには充分な明るさになるし、かなり暖かくなるので一石二鳥だ。

なぜかツアラーはへき地や先端(宗谷岬や喜望峰)を目指すので、普通の AM/FM ラジオだと放送が受信できない場合もある。そんな場所でも短波ラジオがあれば、どこかの放送局の電波が受信できる。それも日本国内だけではなく、アメリカやヨーロッパなど、遠くの国々からの放送も聞くことができる。もしあなたが海外にいれば、日本語の放送さえ聞くことができる。実際、サハラ砂漠の真ん中で東京の渋滞情報を知ることができた。

日本語放送は日本からだけではなく、韓国やロシア、イランなどからも放送されている。とは言え、海外では NHK のラジオジャパンを聞くことが多いと思うが、その周波数の近くに中国の放送局があっていつも受信を邪魔していたので、NHK におかれましては、邦人の利益のために出力を上げてがんばってもらいたい。

短波ラジオは普通のラジオに比べて高価なので、雨や振動など危機に遭いやすいツーリングでは、こだわりがなければ、家電量販店でビニール袋に入ってぶら下がっている安物でいいと思う。世界一周中は、シュラフの中にラジオを包んで運んでいた。

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