『ツーリングのつぼ』

焚き火(3)

掲載日:2012年11月20日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

落ち葉をたくさん集めて焚き付けにし、細い小枝から順番に火にくべて、順調に太い木へ火がついたとしよう。何度かソーセージを小枝に刺して焼いているうち、やはり魚を焚き火で焼いてみたくなるが、なかなか釣れない。

ちなみに、世界で一番シロウトでも魚が釣れる場所は南米だ。それも下の方の、パタゴニアと呼ばれる荒野だ。その次はヨーロッパの北部、特にフィンランドの湖水地方。パタゴニアにはその昔、イギリス人が入植した時にサーモンを放流したらしく、現在でも極めて人口が少ないので、子供の頃にフナ釣りをしたくらいの経験しかない私にも、荒巻鮭みたいのがバカスカ釣れた。ちなみに釣り道具は、日本で買った 1,980 円のお遊びタックル。高価な装備も高度な技術も必要なく、水面に向けてルアーを投げて、そして巻くことができれば必ず釣れた。もし釣れなければ、そこに魚はいないのだろう。

まあ、そんな荒巻鮭みたくデカイのが釣れてもフライパンに収まらないので、内臓を取り出して野菜を詰めて、アルミフォイルで包んで焚き火に投げ込んで調理していた。ちなみに、荒巻鮭サイズだと、ご飯ではなく魚だけで、大人3人が満足できる量があった。食べきれないサーモンは、内臓とエラを取り出して、煙が届くくらいの距離で焚き火の脇に立てかけておくとスモークされる。たいていサーモンが釣れる場所は涼しい地域なので、そのくらい簡単にスモークするだけで、常温でも日持ちする。そんなスモークサーモンをバイクに縛ってツーリングを続けていたら、どこに行ってもみんな話しかけてくれた。

焚き火や炭火で焼いた魚は、ガスで焼くより明らかにウマいので、ぜひ焚き火で調理してみて欲しい。日本では、自然の川で晩ご飯を釣るのは慣れていないと難しいので、魚屋で買ってきた方が確実だと思う。

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