『ツーリングのつぼ』

タンクバッグ(2)

掲載日:2011年12月20日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

燃料タンクにバッグを乗せるとホースを潰してしまう場合、ホースを必要としない他機種の燃料キャップを使えば良い。どれが合うかは、日本の技術をもってしても現物合わせしかない。具体的にはバイク屋に行って、そこにあるキャップをひとつずつ合わせてみよう。メーカーは違っても給油口のサイズはそんなに違わないから、どれかは合うはず。ただし、なじみの店でないと面倒がられるので配慮が必要だ。

こうして準備は整ったが、日本製であこがれの大容量タンクバッグはなかったのが残念だった。そこで出発時には、比較的容量のあるロードバイク用のタンクバッグを乗せた。それには鉄タンクに貼り付けるためのマグネットがあったが、軽量化と、いつのまにか砂鉄がついてタンクが傷つくことを考慮し、全て外した。その代わりバッグの四隅にベルトを縫いつけ、フレームと結んで固定した。

日本で販売されているタンクバッグは、たいてい A5 サイズのツーリングマップルが入る大きさだが、外国の地図はそれより大きな A4 サイズが多かったのは誤算だった。すると当然、地図スペースに入らないことが多かったが、地図を折ってむりやり詰め込んでいた。地図が視界に入ってさえいれば、自分がどこにいるか分からない状況でも、ただ寄り道をしていると思い込むだけで、いい年をして地球規模で迷子という状況をごまかすことができたからだ。

タンクバッグには地図の他に、もし盗まれても現地で容易に買える物だけを入れていた。具体的には米やパスタなどの主食、野菜や缶詰、コーヒーなどの食料品や調味料を収めていた。そうすれば移動途中の買い出しでも積み下しが便利だし、バッグごとタンクから降ろせば手元にまとまるので調理する時にも楽ちんだ。

海外ではタンクバッグといえども、盗難防止にワイヤーロックで車体とつなぐことも忘れてはいけない。もはや単なる食料庫になっているが、盗難は高価な物からではなく、盗みやすい物から先に狙われることをお忘れなく。

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