『ツーリングのつぼ』

ツーリングに携帯する工具(2)

掲載日:2011年11月08日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

私は整備や修理が好きだ。バイクで爽快な夏の高原を走った後、風呂上がりのテントサイトで冷たいビールを一杯やっているうちに、他人が整備を終えてくれるのが特に好きだ。不幸にもそれが実現しない場合、下記に挙げる方法などが考えられる。

1:自分で整備方法を習得して自分で直す。

2:一生懸命働いてお金を貯めて、そのお金でショップに頼む。

3:整備の技能を持つ友人に直してもらい、ビール1ケースのお礼でごまかす。

4:自然治癒を待つ。

5:祈る。

最初1を選び、はじめに整備の勉強としてスーパーカブのエンジンを分解したのだが、次の週末になってもかなりの量のボルトを残したまま復元されなかった。どうやら整備の才能は少ないようだ。だから私の場合、3を中心軸に、4・5をしながら、最後の手段として2を選択する。慎重なA型なので、上記のすべてに頼ることにしている。そんな見切り発車の状態で世界一周に出発しました。すいません。

ツーリングで多いトラブルのひとつはパンクだ。その防止としてハードチューブ、パンク防止剤、お祈りなどを試したが、どれもクギや金属片を踏んだら効果はなかった。パンク修理はゴム糊でチューブにパッチを貼る。この方法をコールドパッチと呼ぶ。

しかしアジアでもアフリカでも、途上国ではホットパッチで修理してくれることが多かった。これは焼き付け補修とも呼ばれ、万力というかペンチの様な物で修理用のゴムとチューブを挟み、圧力を掛けながら熱で溶着させる方法だ。そのため継ぎ目が分からないほどゴムは一体化する。

そのためコールドパッチだと接着剤が溶けてパッチが剥がれてしまうような暑さでも、ホットパッチで修理したチューブなら剥がれることもなく大丈夫だった。ホットパッチはコールドパッチよりも確実に穴がふさがると思う。日本でも昔はホットパッチがあったらしいので、ぜひ復活して欲しい。

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