『ツーリングのつぼ』

グローブ(2) 寒さと湿度は旅の大敵

掲載日:2011年10月04日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

スワニーの他にもう一つ、ラフ&ロードの、インナーが取り外せるタイプの冬用グローブを持って行った。アウターはゴアテックスだったので、それだけ使えばレイングローブにも使うこともできる便利な物だった。おかげで寒いアラスカや南米パタゴニアなど寒い地域で快適にすごせた。ちなみに雪が降るような寒い時には、インナー手袋や軍手をしてシュラフに入ると暖かく寝られます。

地中海沿いを通ってジブラルタル海峡を渡り、アフリカ大陸に立ってもフリースを着るくらい寒かった。時期は真冬の1月だったが、アフリカは一年中暑いのではないのか。そう幼稚園で習ったはずだ。

サハラ砂漠もスワニーひとつで越えた。こう書くと私を知らない人は、まるで大砂丘を華麗に飛び越えたり、パリダカのビクトリーランを終えた英雄のような印象を受けると思うが、実際にはバイクを降りて押したり引いたり横にしたりと、特殊な技能を発揮していただけだ。そして本当の困難は、ダカールの海岸を走り終わったところにあった。そこから内陸に入ると緑のジャングルが始まり、砂に代わって泥沼と湿度がやって来たのだ。

あまりの蒸し暑さに、コートジボアールのバイク屋でモトクロス用のメッシュグローブを購入した私を責めてはいけない。すると今までの蒸れから解放されて、涼しさと快適性が訪れた。やはり見た目の好き嫌いより、中身や質で勝負すべきなのだろう。もしかして納豆やトロロも同じだろうか。ただ手の甲の部分に大きく日本製とでも書こうとして、何を間違えたのか「日系」とプリントされたグローブだった。日の丸の国旗までは合っていたのに惜しい。

グローブは手の湿気を吸うので、走り終えてテントを張ったらバンダナなどと並べて素早く干す。テントの中には、そのために洗濯ヒモ(細引)をぐるりとめぐらせておくと便利だ。そのヒモには、ナイフやバイクのカギを吊るしておくと、暗くなってから、もしくは次の朝、探し物をする手間がはぶけるだろう。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索