
掲載日:2011年08月23日 タメになるショートコラム集 › ツーリングのつぼ
Text/Kosuke KAWAI
日本では地形的にほとんど体験することはできないが、アメリカやオーストラリアなど、平らな大陸を走っていると進行方向に黒い雨雲があり、その下だけに雨が降っているのを見ることができる。その境目ギリギリまで行って腕を伸ばすと、手のひらだけ雨に濡れるようなくっきりさだ。そこでUターンをすれば雨雲から逃げることもできるが、目的地から遠のいてしまうのでこの方法はおススメできない。素直にレインウエェアを着るのが得策だろう。
購入の目安となる防水性能は、耐水圧や透湿度などの数値で商品に表示されている。世の中には、完全防水のレインウェアを探している人がいるが、そんな物は存在しない。もしあっても、体から出る湿気でムレムレになるだけだろう。レインウェアは “他の服より若干濡れにくく、少しだけ雨の日を幸せに過ごす道具” という程度に思っておくと、間違いが少ない。人類は濡れても死ぬことはないので、防水性にだけに着目するのではなく、実際の使い勝手から選ぶのもひとつの手だ。
まず前身ごろに、カギを入れるポケットのひとつは欲しい。その縫い目から雨がしみてくるという意見もあるだろうが、それがなくてもどこか違う所からしみてくるので心配無用だ。カギを収めるポケットがないと、昼食に立ち寄った食堂から出た時、仲間のうち最低1人は「カギがない」と言い出して面倒を起こすからだ。
ズボンの裾にファスナーなどがあって広げることができると、ライディングブーツを履いたままズボンを脱着できる気がするが、実際にはどこかに引っかかるのでブーツを脱いだ方が脱着は早く、この機能はオマケくらいでいいだろう。それよりも、冬にフリースなどを着込んだ状態で着ることができるか、特に首回りを確実に留められるかを考えて、少しゆとりのあるサイズを選びたい。レインウェアは防寒のために着ることもあるのだ。
レインウェアを着るタイミングは、反対車線からこちらに向かって来るバイクや自動車が濡れているのを見た瞬間だ。「まだ大丈夫だろう。もしかして雨は止むかも」と思ってレインウェアを着ずに走り、ずぶ濡れになってから着ても、意味がないのだ。
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