『ツーリングのつぼ』

ゴアテックスのジャケットは最強(1)

掲載日:2011年08月02日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

世界を旅するライダーの間には「季節待ち」という概念がある。たとえば「このペースで進むとサハラ砂漠が真夏だから、物価の安いスペインで冬を待つ」とか「ウユニ塩湖は今が雨期だから横断できない。だからラパスで沈没(滞在という意)している」というぐあいだ。

全行程を小春日和で走れれば最高なのだが、そんなことだと世界一周に100年くらいかかってしまう。多少は季節を待ったが、現実にはどうしてもベストシーズンが合わないことがあり、小雪が舞う北欧フィンランドや南米のアルゼンチン、気温50度を超えるサハラ砂漠、雨期のタイを走らざるを得なかった。

世界一周にはラフ&ロードのミドル丈のジャケットを着て行った。3シーズンくらいの厚さでゴアテックス製、大きなポケットが前面についていたのも気に入った。しかし、これ一枚ですべての季節を走ろうとすること自体に無理があるが、少しくらいの暑さや寒さや雨は、ツーリングの高揚感とレイヤード(重ね着)でカバーするしか方法はないだろう。

気温が体温を超える乾燥した地域だとファスナーを閉じて風に当たらない方が涼しく感じるが、日本を含めた一般的な暑い地域ではベンチレーション全開で走るしかないので、換気のファスナーは少なくとも背中とわきの下に欲しい。

寒い時のレイヤードのポイントは首回りだ。薄手のフリースを2枚持って行ったが、すべてを着るとジャケットの首元がきつくなってしまう。無理に首元を閉めると肩がこるけど、開けたままでは走行風が侵入して体温を奪われてしまう。少し大きめのサイズを選ぶと快適にすごせるだろう。

ゴアテックスの良さは、その高い防水性もあるが、実感としては湿度が高い時に蒸れないので快適に感じる。具体的には熱帯雨林でスコールに降られると体感できるだろう。そんな気候でたとえ濡れても乾きやすい気がする。

夏ならメッシュ、冬なら厚手の専用ジャケットが快適なのは間違いないが、季節をまたぐロングツーリングでは、少しの工夫とたくさんのアバウトさも必要なのだ。

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