『ウェア屋さんのひとりごと』

寒い時も夏用アンダーの有効活用を!

掲載日:2013年04月18日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

このお話しを書いている今(4月14日)、私はレーシングサービスで鈴鹿サーキットに来ていますが、2週間前のツインリンクもてぎに比べると暖かく(当然かな)、決勝が行われる今日は昨年以上の盛り上がりを感じることができます。この3日間ともにアンダーウェアは当社のクールライドを着用していましたが、ダウンを着込むほどに寒かったもてぎでも、実はずっと着ていたのです。今回はその時のことをお話ししてみましょう。

もてぎのパドックで誰かに会うと、必ずと言ってよいほど「寒いね~!」という会話を挨拶代わりに交わしていましたが、「中にクールライドを着るとイイよ」などと言いますと「冗談!なんでこれ以上“クール”になるのっ!」といった反応が返ってきます。無理もない、名前が“クールライド”ですもんね。これらの製品は汗の蒸発を促進し、その際に生じる気化熱の作用を利用して涼しさを感じることができますが、この効果は生地周辺の空気が動くことによって発揮されます。ただ、寒い時期は厚みのあるウェアを着込むので、気化熱の作用は殆ど発生しません。逆に薄い空気の層ができるので保温効果が生じ、合わせて身体から発する水蒸気を素早く乾燥させるために汗冷えを抑え、結果として暖かく感じることができるのです。

と、説明すれば「なるほどねぇ~」と一定の理解を示してくれつつも、「まさかこの時期は要らないだろう」と、準備していない方が殆どだったらしく、トライされる方はあまり居ませんでした。それでも、私に騙されたつもりで着用した数名の方は、「ホントだ、全然違う!」と、思いもよらない効果に驚いてました。ただ、効果の感じ方は個人差なので、念のため。

そう言えば以前、アウトライダー誌の菅生編集長がコラムで、こういったアンダーウェアを着用することで、暑ければベンチレーションや袖口等から走行風を取り入れ、寒ければ外気の侵入を遮断することで、より効果的な温度調整ができる、といったことを書かれていました。そうなんですよね、、用途を暑い時期に限定することはなく、今のように寒暖の差が激しい時期の温度調節にも効果的なので、まだ暑くないからといってタンスの奥にしまっているウェアがあれば、引っ張り出してみてはいかがでしょう。

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