『ウェア屋さんのひとりごと』

リチウムポリマーバッテリーってなんぞや?

掲載日:2012年12月13日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

以前に “電熱武装” でさんざん宣伝しまくった e-HEAT ウインターグローブとインナーベストですが、おかげさまで昨年の発売以来、たくさんのお客様にご愛用いただき、本当に嬉しい限りです。と、こんな自慢の様なお話はさておき、本格的な需要期を迎え、e-HEAT の電源となっている “リチウムポリマーバッテリー” の扱いに関するお問い合わせが急増しているので、チョットだけお話しさせていただこうと思います。

“リチウムポリマー” は、“リチウムイオン” が液体の電解質であるのに対し、簡単に言うと電解液をフィルム状にしたもので、液洩れを気にする必要が無く、小型、軽量化に加えて形状の自由度が増しました。また、リチウムイオンに比べてエネルギー密度が高く、同じ体積なら約 1.5 倍の高い容量を確保できます。簡単に言うと「液洩れしない、小型で軽量、大容量」という “いいことずくめ” である反面、取り扱いに少しだけ注意を払わないと電池としての機能を消失したり、発火事故という事態が起こる一面も持ち合わせているのです。と言っても、チョットした注意なので、ここまで読んで「ええ~っ!」と身構えないでくださいね。

まず、使用前に必ず行う充電ですが、指定された専用の充電器を使用し、周りに燃えやすい物を置かない。充電中は目を離さず、充電終了後は速やかにコネクターを外してください。コレでO.K.! それから滅多に起こる事ではありませんが、充電中に膨らむ様な症状が出た場合、そのまま充電を続けると爆発する危険性があるので、直ちに充電を中止しましょう。とにかく我流は禁物!

使用時は電池容量の殆どを使い切ってしまう “過放電” によって電池機能を消失してしまいますが、通常は一定の残量に達した時点で放電をカットする保護機能があり、普通に使い切った(と思われる)状態で過放電に至る事は無いので安心してください。ただ問題なのはその後の保管方法で、シーズンが終わり、長期間(半年以上とか)放置していると、その後の自然放電によって過放電に至る場合があります。これを防止するためには、少し充電するなど、容量の半分程度を残してから保管しましょう。逆に満充電の状態でも電池機能を失う場合があるので、長期保管の目安は “約半分” をお忘れなく。

使えなくなった電池は “リサイクル” に出すことをお勧めしますが、面倒な場合は2~3日のあいだ塩水に漬けた後、自治体の定める方法(地域によって燃えるゴミとそうでない場合があります)に従って処分してください。最後に、リチウムポリマーも電池としての原理はリチウムイオンと同じなので、パッケージや説明書等にリチウムイオンバッテリーと記載されている場合もありますが、使用法や注意事項は同様です。

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