
掲載日:2011年12月08日 タメになるショートコラム集 › ウェア屋さんのひとりごと
Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )
時折「暖かいなぁ」と感じる日もありますが、とは言えもう12月。特に朝晩は完全に冬装備でないと厳しい季節になってきましたね。にも関わらず「薄着だぁ?」などと言ってる私に対して「???」という方もいらっしゃるかと思いますが、私は2002年から約2年間続いた京都への通勤時、路肩が普通に凍るような極寒の時間帯でも “シャツ+シャツ+ジャケット” 程度の薄着で毎日バイク通勤をしていました。これは決して私の気温に対する感覚が異常なのではなくて(たぶん…)、高機能なアンダーウェアを正しく着用すれば、最小限の重ね着で充分な暖をとることができ、なおかつ重ね着による動きにくさも少なくて済むという訳です。
ここ数年では一般のアパレルメーカーが、テレビCMを通じて認知を高めた “高機能アンダーウェア” が、薄着でのライディングを可能にした訳ですが、これもただ着ればいいというのではなく、製品それぞれが持つ特徴に合わせた方法で着用しないと、その効果が充分に発揮されることはありません。アンダーウェアには大きく分けて、“防風・保温” を目的にしたものと、身体から発散される水分によって発熱効果が得られるもの等、様々な種類のアンダーウェアが発売されていますので、大まかに着用の仕方についてお話をしてみようと思います。
まず防風を特長としているものでは “インナージャケット” などと呼ばれていますが、これらはアウターウェア(ジャケット)の防風機能を更に高める意味で着用することが多く、できるだけアウターウェアの直近で使用することによって寒気の進入を防ぐと同時に、ダウン等のインナーを着用している場合であれば、ジャケット内部にできる空気の層、いわゆるデッドエアーを確保し、保温効果を高めることが可能になります。
対して“発熱”等を特長にしている”アンダーシャツ”には上記の様な防風機能が無いため、まずは空気の流れが無い所で使用することが大前提となります。また、身体から発散される水分をもとに発熱効果を得ているので、出来るだけ素肌に近いところで着用することが効果的です。時々「冬場の寒い時期に発汗は無いので無意味では?」といった質問を受けますが、ヒトは常に身体から何らかの水分を発散していますので、決してその様な事はありません。また、この様な機能を持ち合わせているアンダーシャツを着用した際は、乗車前に軽く準備運動を行うことで発汗が促進され、発熱効果が高まるとも言われています。気になる方はぜひお試しを。
といったところでアンダーシャツに関するお話は途中ですが、この続きは次回に…
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