『ウェア屋さんのひとりごと』

秋口のジャケット選び

掲載日:2011年09月01日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

前回はこれからのシーズンに向けて、気温の変化への対策についてお話をしましたが、その中でも重要になってくるジャケットについて、例えば今から買い揃える必要がありそうな方に向けて、いや、そうでない方にも、もう少しお話をしてみましょう。

今の時期はメッシュジャケットが活躍している方も多いと思いますが、これからは出番が少なくなり、 “メッシュじゃない普通の生地” を使用した、いわゆる “3シーズンジャケット” が必要になってきますよね。ただ、各メーカーの3シーズンジャケットと呼ばれるものは、殆どが春夏のラインナップとして発売されているため、秋冬ラインナップが売り出されるこれからの季節では、気に入ったジャケットを新たに入手することがしづらいとも言えます。それでも最近は暖冬の影響もあってか本格的な寒さの訪れが遅く、冬直前までに使えるジャケットという需要も高まってきたとも言えます。そのため3シーズンジャケットは、比較的軽めの着脱式中綿インナーを装備した “オールシーズンモデル” と一緒に販売されている状況を目にする様になりました。ここで個人的な好みを言ってしまうと、このタイプは “防水・透湿” の機能を持ち合わせていれば防風機能も高く、インナーの調整次第によっては結構冷え込む時期まで使用することができます。また、急な雨に遭遇した際にもレインパンツさえ履いてしまえば、取り敢えずその場はレインウェアを着込まなくても走り続けることができる点も大きな魅力です。それでも、非防水のジャケットが持つ軽さや着やすさ、リーズナブルといった点も捨てがたい魅力なので、このあたりは着用感の好みやファスナーなどの使い勝手を確認した上で決めた方がイイですね。「似た様なもんだ」 と思っていても、使ってみると意外に違う点が多かったりするものですよ。

前述した “オールシーズンモデル” ですが、敢えて “RSタイチ製” で例えてみると、ウィンタージャケットに比べてやや薄目の中綿入りインナーと、それに合わせたコンパクトなアウタージャケットを組み合わせ、アウタージャケット単体での使用も充分に考慮したモデルを “オールシーズン” と位置付けています。アウタージャケットの裏地に速乾性の高いメッシュ内装や、ファスナー式のベンチレーション等を装備しているため、比較的気温が高い時でも快適な着心地を得ることができながらも、インナーを装着した状態だと “ひと桁気温程度” であれば充分な防寒性を備えています。冬場はガッツリ乗らない方であれば、アンダーウェアのひと工夫でウィンタージャケットとしても充分な機能があることを付け加えておきますが、“暑い” や “寒い” には感じ方に個人差が結構ありますので、あくまでも参考程度に留めてくださいね。

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