『バイク乗りの勘所』

朝倉山椒のタプナード

掲載日:2015年05月12日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

ロードライダー誌 に“関西発! ここ行こや!!”という風変わりな連載記事を執筆している私にとって、同記事の取材は、このところの大きな楽しみのひとつ。最近の号 では兵庫県豊岡市出石(いずし)へのツーリングを採り上げた。皿蕎麦と出石焼(磁器)で有名な、但馬の小京都と呼ばれる小さな街だ。その取材の最後に、北近畿豊岡道の(本コラム掲載時点での)終点・八鹿氷ノ山インター近くの道の駅で、表題の“朝倉山椒のタプナード”を見つけたのだった。

これぞ10年に一度あるかないかの大発見! かねてから、日本の山椒を使った洋風の食材があればなあ…と思い続けてきただけに、その思いが形になったタプナードとの突然の出会いに感激し、即買いしたのは言うまでもない。以後、いろんな料理に使って楽しんでいる。中でもイワシを開いてこれを塗りつけ、フライパンで焼いたのが最高にウマかった。“朝倉山椒のタプナード”でググってみれば通販で入手できるから、興味のある方はぜひお試しあれ。

10年に一度…とまではいかなくても、ツーリング中に、こうした発見をすることは多い。以前、どこだったかに“そこにあるとわかっている何かを『確認』しに行くのが旅行で、何があるかわからないから『発見』しに行くのが旅”みたいなことを書いたことがある。それに従えば、大小さまざまな発見に満ちたツーリングというのは典型的な“旅”であり、オートバイというのは、まさに、旅行よりも旅の“足”にふさわしい乗り物と言えるのではないか。

走りながらでも発見はできるし、走りながらでなければできない発見もある。しかし、ひとたび止まってオートバイから降りれば発見の嵐…といった旅=ツーリングを目指すなら、持てる情報量を増やすよりも、好奇心と感受性を高める努力をしたほうがよい。それには、事前の情報収集は必要最小限に留める、発見の喜びを分かち合える仲間を見つける、そして何より、止まって降りる回数や時間を充分にとった、臨機応変かつ余裕のある計画が肝要だ。

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