『バイク乗りの勘所』

それでも飛ばしたいアナタに

掲載日:2015年01月20日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

前回の『飛ばしたい気持ちを抑える』で採り上げた伊豆スカイライン。実は私も何度か走ったことがあり、そのときの走りが決して誉められたものではないのも事実だ。伊豆スカに行く前に通過するターンパイクでは平均時速●0kmを超えていたのは確実だし、伊豆スカの直線では●0kmを超えたこともたびたびある。そして、そうした走りが決して珍しくなく、まさにそうした走りをするために多くのライダーが集まってくることを、所轄の警察署が百も承知であることもわかっている。

警察をナメてはいけない。覆面パトカーや一般車両に乗った私服警察官による状況調査など、第2次バイクブーム(レーサーレプリカブーム)のころから頻繁に行われており、何月ごろの何曜日の何時ごろに、どの区間で最も危険な状況になっているかといった統計データくらいはあって当然。その気になれば、通行止になんかしなくても、いわゆる“飛ばした”走りが不可能なくらいの規制・取り締まり・指導ができる準備は整っていると考えて間違いない。

にもかかわらず、それを実行しないのは、いわゆる“お目こぼし”なのである。事故がなく、他車や地域住民からのクレームもなければ、わざわざ人的資源を投入して人の楽しみを奪うことも、ライダーたちを敵にまわすこともなかろう…といった、ある意味、大人の対応をしてくれているのだ。未だに通行止にならず、二輪車が走れるのも、大人の対応の一例だ。ここで考えてほしいのは、大人の対応には大人の対応で返すのが礼儀ではないかということだ。

本来禁止されているはずのUターンや路上での駐停車にも同様のことが言え、道路管理者も黙認してくれている。これ幸いと…といった甘えた態度は禁物だが、快走中に前車に追いついたら、無理な追い越しはせず、しばらく止まって間隔を開けるとか、クリアラップを待ってもう一度やり直すなどの“大人の走り”で、自分の命と、この素晴らしい環境を守ってほしい。ただひとつ“センターラインを超えない”を全員が守れば、事故は激減するはずだ。

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