『バイク乗りの勘所』

雨のツーリング

掲載日:2014年09月01日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

雨の中をバイクで走るのは、たとえカッパを着ていたとしても、できれば避けたい。濡れた路面を走るのも嫌だ。走りに気を遣う、バイクが汚れるなど、よいことはない。しかし、今年の夏は、稀に見る天候不順で、ツーリング先で思わぬ雨に見舞われたり、天気が悪いのを承知で出かけ、降られたライダーも多いはず。私もその一員で、今年の夏は、雨の中を走った距離も、雨宿りをした回数も、雨を避けて予定を変更したことも、例年以上に多かった。

そんなことを何度もやっていると、まったく濡れずに…は無理としても、びしょ濡れで嫌な気分になるのを防ぐ方策がいくつかわかってきた。まず最初は情報収集である。止まって空を見渡したり、雨雲レーダー画像を見たりして、雨に合う可能性を測る。可能性が高い場合、高速を走っていれば、一般道に降りる。雨宿りをするにしても、カッパに着替えるにしても、一般道ならすぐに止まれるが、高速では次のPAやSAまでの間、それができないからだ。

次に、雨の強さと雨域の広さを予測する。雨雲レーダー画像の色(雨の強さ)と実際の降り具合をもとに、突っ切っても大丈夫とわかれば突っ切る。夏場の小雨の中の走行では、濡れると同時に乾いてもいくから、そもそもカッパを持っていない、あるいは私のように、持ってはいてもなるべく着たくないといった場合でも、びしょ濡れにならずに済むことは多い。局地的に激しい雨が予想される場合は、短時間なら雨宿り、あるいは雨雲を避けて迂回する。

このあたりは、対向車の濡れ具合も判断材料のひとつだし、日ごろからレーダー画像を眺め、雨雲の通り道になっているところを知っておくのも役に立つ。夏場の夕立などはまさにそれで、ここは豪雨なのに、わずか10km離れたところでは、まったく雨の気配もなかったりする。迂回するかどうかの判断と迂回路の探索には、スマホや携帯が役に立つから、仮に突っ切ると決めた場合にも、スマホや携帯だけは濡れないよう、ビニール袋などで保護しておきたい。

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