『バイク乗りの勘所』

明日は我が身、かもしれない

掲載日:2013年04月01日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

自分自身が交通事故で負傷し、病院へ搬送されるときに2回、他人が同様な事態にあったときに3回、救急車のお世話になっている。乗せてもらった感想は、5回ともすべて “遅い!” だった。遅い原因は、救急車やその運転者ではなく、他車である。救急車をはじめとする緊急自動車が近づいてきたら、ところかまわず、ただ “止まればよい” と勘違いしているドライバーの何と多いことか。それとは別に、まったく無視して(あるいは気づかずに)走り続けるドライバーもいる。

“緊急自動車の優先” は、道路交通法第40条に書かれているとおり。“交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは(中略)交差点を避け、かつ、道路の左側(中略)に寄つて一時停止しなければならない。前項以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄つて、これに進路を譲らなければならない…” である。先に書いた “ところかまわず止まる” のは、交差点とその付近でもその他のところでも、間違いなのだ。

“ところかまわず止まる” の問題点を、もう少し詳しく分析すると、交差点とその付近では “ところかまわず” に問題があり、その他のところでは “止まる” に問題がある…ということになる。幸い、オートバイは車幅が狭いので、ところかまわず止まったとしても、普通乗用車ほど “じゃま” にはならないかもしれない。しかし、止まったのが他の車の真横だったり直前だったりすると、アナタのまわりの車が緊急自動車に対して進路を譲る動きを妨げることにもなりかねない。

だから、交差点とその付近では、交差点を避けて道路の左側に寄ったうえで、他車の横や直前を避けて一時停止し、その他のところでは道路の左側に寄りつつ、他車が緊急自動車に進路を譲る動きを妨げないことが大切だ。後者の場合、左の方向指示器や手ぶりなどで意思表示をすれば、さらによいだろう。アナタを追い越す緊急自動車の運転者の心理を考えれば、ただ止まっているよりも、譲ったという意思表示をしながらゆっくり走っていてくれたほうが、追い越しやすい。

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