『バイク乗りの勘所』

秋口はタイヤの空気圧低下に要注意

掲載日:2011年09月26日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

日中の最高気温は夏場と変わらなくても、早朝出発のツーリングや朝練には冷え込みが気になる季節がやってきた。こんなときは、気温だけではなく、路面温度も下がっていることをお忘れなく。とくに、日が差せばすぐに温度が上がる地表付近の空気とは違い、地面の温度は上がりにくい。日が当たって暖まるのは、ほんの表面だけである。その下の大地は、極端な話、来年の夏まで、夏と同じような高温にはならない。

だから、ドライで日当たりのよい場所に限れば、そこそこ路面温度は上昇する(それでも夏場よりは低い)が、それでも、風が吹いていたりするとなかなか暖まらない。おまけに、夏至を過ぎれば、冬至に向かって、どんどん太陽が傾き、影が長くなる。つまり、木かげ・山かげ・建物の影などで覆われる部分が多くなり、路面の低温化に拍車をかける。そうした状況では、たいていのストリートタイヤは、夏場よりもグリップが低下する。

気温が下がり、路面温度が下がり、タイヤのグリップが低下してきたら、過激な走行を控えるのがベスト。急発進・急加速・急減速・急停止などを避けるのはもちろん、タイヤのグリップに頼った安全マージンの少ないコーナリングも控えたい。で、路面温度を上げるのは無理だから、せめてタイヤの温度を上げてグリップを稼ごうと、空気圧を下げ、変形しやすくしてタイヤの発熱量を増やそうとする人がいるが、真似しないほうがよい。

走行前に、いつも同条件で空気圧を測定・調整し、路面温度のデータを持ち、使っているタイヤの温度レンジを知っていれば別だが、そうでなければ、寒くなってきたからといって空気圧を下げるのは意味がない。それよりも、気温や路面温度の低下により、放っておいても下がる空気圧を、下がりすぎにならないようにすることのほうが、よほど大切である。秋から冬に向けて、どんどん下がるから、この時期はマメにチェックすべし。

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