掲載日:2022年12月28日 フォトTOPICS
取材協力/バイク館 取材・文・写真/小松 男
CB200X、YZF-R15、FZ25などなど、どこかで聞いたことがありそうなモデル名のバイク。これらは海外で販売されている国内ブランドのバイクたちだ。実は世界中には数えきれないほどのバイクが存在しており、日本ではその一部のモデルのみが販売されている。
全国展開を行っているバイク販売店「バイク館」(イエローハットグループ)では、独自に輸入新車販売している日本未発売モデルを沢山揃えている。今回はそれらの車両を揃え、メディア向け試乗会が開催されたので、その様子をお伝えするとともに、一部ピックアップしたモデルのショートインプレッションをお送りする。
ずらりと並べられたバイク館の輸入新車。ホンダ、ヤマハ、アプリリア、ベスパなど良く知っているブランドでありながら、初めて目にするモデルばかりだ。
参考展示されていたホンダ・CRF190L。人気のアドベンチャーモデルであり、ストリートからツーリングまで幅広く楽しめそうな印象を受ける一台だった。
自動車教習所を使っての試乗会とされた。コンパクトなコースレイアウトではあるが、小排気量のテストにはもってこい。波状路やクランク、8の字なども使われた。
ここ数年はブームと言われるほどにバイクの販売台数が伸びていることや、コロナ禍や国際情勢などの影響により製造遅延が発生していることもあるなど、とにかく車両不足の状態が続いている。そのような中において目を向けたいのが、「バイク館」が新車輸入販売を手掛ける様々なモデルだ。バイク館(旧SOX)では30年以上前から日本で販売されていないモデルを中心に世界各地から取り寄せ販売を行ってきた。現在取り扱うモデル数は36機種にも上り、2000台もの在庫を有している。
そのほとんどが小排気量機種であり、どれも手軽に乗れて扱いやすくコストパフォーマンスに優れるモデルばかりだ。つまりバイクの免許を取得して間もないエントリーライダーや、長らくバイクライフから遠ざかっていたが返り咲いたというリターンライダー層にピッタリマッチするバイクが多いのだ。
今回はメディア関係者向けにバイク館が大試乗会を開催。20車種の輸入新車が用意された。ホンダのスクーターであるVARIO160やRX125SEはスポーティでサイズ感も良く、日常ユースで適している雰囲気が伝わってくるものであるし、アンダーボーンフレームのWinner-X150はスクーター的なポジションでありながらスポーツバイクのような走りも楽しめる。ヤマハからは同社のフルカウルスポーツセグメントのYZF-R15やモダンネイキッドのMT-15、ネオクラシックタイプのFZ-Xなどが持ち込まれた。
さらに日本初上陸となるインド最大手のバイクブランドHERO(ヒーロー)のモデルも取り揃えられていた。当編集部では、ヤマハ・YZF-R15V4、ホンダ・CB200X、ヤマハ・FZ-S FIデラックスをピックアップし試乗。ここからはそのショートインプレッションをお伝えする。
ヤマハ最高峰スーパースポーツモデルであるR1直系のDNAをスタイリングに落とし込んだYZF-R15V4。フロントカウル先端のM字型ダクトを見て気づいたが、これはR25やR3と共通の外装と思われる。走らせてみると、細身のタイヤと車体の軽さのバランスが良く、とにかく軽快にコーナーをパスすることができる。
気温及び路面温度の低い冬の朝ということもあったので、過度に意地悪な走行は避けたが、フロントフォークの動きが良く、ハイグリップタイヤに履き替えることで、安心感とワンランク上のスポーツライドを手に入れることができるはずだ。
排気量155cc水冷4ストロークSOHCシングルエンジンを搭載。LEDライトを採用したフロントマスク、M字型ダクトからは兄弟モデルと共通の外装かと考えられた。適度な前傾姿勢をもたらすクリップオンハンドルや液晶ディスプレイなど、クラスを超えたディテールがポイント。なお、上位モデルとなるYZF-R15Mは専用カラーのほか、クイックシフターをはじめとした装備の充実が図られる。
ホンダのクロスオーバーモデルであるXシリーズの一翼を担うCB200X。アップライトなライディングポジション、豊かなサスペンションストローク、低回転から粘り強い空冷シングルエンジンの組み合わせは想像以上に快適であり、走りの質も良好。
特に足まわりの設定は良く、波状路でのショック吸収性能の高さやクランクなど狭いポイントでの取り回しも難なくこなすことには感心させられた。
前後17インチタイヤがもたらすクイックなコーナーリングは、モタード的なスポーツライディングも楽しめ、ストリートユースで軽快、ロングツーリングには安楽に走らせることができるだろう。
NC750X譲りのスタイリングで全長2035mm、シート高810mmの立派なボディサイズ。そのシャシーに排気量184.4cc空冷4ストロークシングルエンジンを組み合わせる。ショーワ製サスペンションやニッシン製ブレーキなど、日本メーカーのパーツの装備は安心をもたらす。毎日の通勤通学で使い、たまにロングツーリングを楽しむというライダーの要求に応えるパッケージングだ。
ヤマハのFZは長い歴史を持つ伝統的なモデルイニシャルだ。現在こそスポーツネイキッドモデルはMT系というイメージだが、旧来のライダーからするとヤマハのスポーツネイキッドはFZなのである。
FZ-S FIデラックスは、ベースモデルとなるFZ-Sをベースにデラックス専用の外装、シート、ホイールなどが用いられた上級バージョンとなっている。
149ccシングルエンジンは約9000回転で作動するリミッターまでしっかりと吹け上がり、加速から気持ちよい。ハンドルとシートの位置関係が良く上半身のポジションは楽だが、ステップレバーの角度がきついのが気になる点だった。とはいえ必要にして十分な性能であり、バイクの楽しさを体感できる一台に仕上げられている。
ストリートファイタースタイルを連想させるスポーツネイキッドとされたFZ-S。デラックスバージョンはクロームシュラウドパーツや専用ホイールなどが装備されている。排気量149cc空冷4ストロークシングルエンジンは、しっかりとしたトルクがあり、低速域でも使いやすい。シフトチェンジレバーやリアブレーキレバーの角度が強いことが少々気になったものの、総じて良い出来だと感じられる一台だった。
バイク館の輸入新車を手掛けている商品課 新井雄介さん。世界各国から厳選したモデルを日本のマーケットに送り届けている。
試乗会ではバイク館の輸入新車を企画し手掛けている新井雄介さんにお話を伺うことができた。やはり国内正規ディーラーで販売されているものと違い、保証やアフターサービスがユーザーの気になるポイントだと思うので、その点から尋ねてみた。
「バイク館で取り扱う車両だけでなく輸入車では、保証やアフターサービスの心配というものは従来からの問題です。バイク館グループでは、そのイメージを払拭するために、販売後のアフターケアに注力しています。
たとえば国内新車同様に、距離無制限の二年保証や、約200点、1万個にも上る補修パーツの在庫です。さらには全国で60店舗のネットワーク体制が整っているので、安心してバイクライフを楽しんでいただけます(新井)」。
どのような国から輸入しているか、そして世界有数のバイクブランドとなったインドのHERO社の取り扱いを開始されたことなども聞いてみることにした。
「インド、中国、インドネシア、ベトナムなど様々な国から車両を輸入しています。その中でもインドからは全体の8割と比率が高くなっています。昨年法規制により、ABSの装備または前後連動ブレーキの採用ということが義務付けられ、それをクリアするのがインドのモデルが多いというのも一つの要因です。
HEROはインドでのマーケットシェアナンバーワンのバイクブランドであり、確かにこれまで日本に入ってこなかったことが不思議なほど、海外ではメジャーになっています。デザイン面やパフォーマンスも良く、コストパフォーマンスに優れているので、日本のライダーたちにも広く知ってもらいたいものです(新井)」。
バイク館の輸入新車バイクには、今回取り上げられなかったモデルがまだまだ沢山存在する。きっと興味を抱く一台が見つかることと思うので、是非バイク館に行って、実車に触れてみて欲しい。
SHERO・X-PULSE200。今回の試乗会でも人気が高く、各メディアがテストを行っていた。デザインの良さもさることながら、新車価格36万9000円とお買い得なプライスも魅力。
ホンダ・VARIO160はインドネシアから輸入されている。エッジの効いたスポーティなデザイン、160ccのパワフルなエンジンなど、国内では他に無いパッケージングだ。
人気のネオクラシックスタイルで纏められているホンダ・CB190SS。幅広い層に支持されそうなデザインだ。他にもネオクラモデルではヤマハ・FZ-Xがあった。
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