パラモトライダーが箱根をツーリング「やるぜ!!箱根ターンパイク2022」が開催

掲載日:2022年10月07日 フォトTOPICS    

取材協力/一般社団法人SSP 取材・写真・文/淺倉 恵介

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さる9月11日、パラモトライダーとその仲間による公道ツーリングイベント「やるぜ!!箱根ターンパイク2022」が開催されました。真夏を思わせる青空のもと、14人のパラモトライダーがアネスト岩田ターパイク箱根でのツーリングを楽しみました。
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障がい者がバイクを楽しむサポート活動を行うSSPが、
おそらく世界初となるパラモトライダーによる公道ツーリングを実現

パラモトライダーとは、事故や病気で身体障がい者となり車椅子生活を送りながら、ライダーに復帰した人を指します。全身を使って操るバイクという乗り物は、半身不随の障がいを負った人は乗ることができないと考えられてきました。ですが、オートマチックミッションやハンドシフトなど、足を使った操作が不要なバイクであれば、実は走らせることが可能なのです。今回のイベントを主催した一般社団法人SSP(サイド・スタンド・プロジェクト)は、パラモトライダーが再びバイクを楽しむためのサポート活動を行っている団体です。

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SSPの代表を務める青木治親さんは、元世界GP125クラスチャンピオンで現在はオートレーサーとして活躍中。3人の男兄弟全員が世界GP経験者というレーシングライダー一家、青木3兄弟の三男です。治親さんがSSPの活動を始めたのは、事故で障がいを負いバイクを諦めざるを得なかった次兄の青木拓磨さんに、もう一度バイクで走ってもらいたいとの思いがありました。ハンドシフト化したパラモトライダー用のバイクを独自に製作、これまでサーキットなどのクローズド環境で体験走行会を行ってきましたが、今回初の試みとして公道でのツーリングイベントを開催したのです。

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通常、パラモトライダーは二輪免許を返納しているため、例えバイクを操ることができても公道を走ることはできません。今回は民営の観光道路であるアネスト岩田ターンパイク箱根を貸切利用することで、公道ツーリングを実現したのです。開催にあたっては神奈川県警察 小田原警察署が協力し、先導は白バイが担当。その後ろにパラモトライダーを引っ張るSSPの先導ライダー、次にパラモトライダーが走行。直後にはタンデムシートに医療スタッフを乗せたSSPのサポートライダーが走行。その後ろには、パラモトライダーのバイク仲間の隊列が続き、最後尾も万が一のトラブルに対応するためのSSPのスタッフライダーが走行しました。こうした厳戒態勢とも思える走行スタイルは、安全確保を徹底するためのものでした。その甲斐あって、事故やトラブルは皆無。大変な苦労を乗り越え、パラモトライダーの公道ツーリングを実現したSSPスタッフに大きな拍手を贈りたいものです。

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イベントの責任者である青木治親さんは、忙しい中でも参加したパラモトライダーを気遣うことを忘れません。

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中央の人物は、青木三兄弟の長兄の青木宣篤さん。宣篤さんは、今年の鈴鹿8耐で現役引退を表明。この日はSSPのスタッフとして、先導ライダーや警察との打ち合わせなど大忙しでした。

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パラモトライダーがバイクで走行するには、発進と停止時の補助や、乗り降りの介助といった他者からのサポートが不可欠です。SSPには多くのボランティアスタッフが参加し、活動を支えています。

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パラモトライダーがバイクで走る姿は、健常者と何ら変わりはありません。沿道からは、プロジェクトに賛同しクラウドファンディングに協力した80名の見学者が声援を送りました。

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SSPでは障がい者と健常者が、バイクをボーダレスに楽しめる空間が作られています。世界中のどこでも、この空気感が味わえる世の中が訪れることを願いたいものです。

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アネスト岩田ターンパイク箱根の全線を閉鎖。麓の小田原料金所をスタート地点とし、頂上の大観山で折り返す全長26kmのコースでツーリングが行われました。当日は絶好のツーリング日和、折り返し地点の大観山では富士山と芦ノ湖の美しい景色も楽しめました。

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揃いのスタッフTシャツを着たボランティアスタッフの面々。この日集まったのは約150名、皆さん献身的にパラモトライダーのサポートを行っていました。

試乗ライダー プロフィール
淺倉 恵介
Web、雑誌を問わず、各種バイクメディアで活動中のフリーライター。バイクチューニング専門誌出身で、カスタマイズやチューニング、レース関連に詳しいが、本人の嗜好は好き嫌いなくバイク全般に及ぶ。バイクの評価で一番重視しているのは”乗って面白いかどうか”だが、身長164cmと小柄なため取り回しの良さにもこだわる。

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