掲載日:2019年07月29日 フォトTOPICS
取材・写真・文/山下 剛
7月21日(日)にアネスト岩田ターンパイク箱根大観山駐車場で開催された「MOTO GUZZI EAGLE DAY 2019」では、モトグッツィの現行モデル試乗会も実施された。その中でも最新モデルとなるネオクラシックアドベンチャー「V85TT」は2台用意され、多くのグッツィファンが試乗した。
V85TTは、V9シリーズの853cc空冷V型2気筒エンジンをベースとしつつも、内部パーツの改良などによって最高出力を80psまで高め、ABSやトラクションコントロール、出力モード、クルーズコントロールなどの最新電子制御テクノロジーを備えるバイクだ。モトグッツィは「クラシックトラベルエンデューロ」と位置づけており、80年代のラリーレイドを思わせるようなルックスを持たせつつも最新技術によって乗りやすさと扱いやすさを追求したツーリングバイクである。
モトグッツィといえば、クランク縦置きV型2気筒エンジンが生み出すトルクフルかつユニークなフィーリングが特徴だ。しかしV85TTのエンジンはその振動はずいぶんと軽減され、非常に滑らかな加速フィーリングを得た。不快な振動はなく、角がとれたマイルドなものとなったため、長距離走行でも疲労が少ない。それでいてトルクフルかつパワフルで、意のままに欲しいパワーを引き出せるのだ。
これは3種類用意された出力モードによって調整も可能だ。街乗りからツーリングまで、舗装路であれば「ロード」にセットしておけばいかなるシーンでもパワフルだ。走行中でもセルスタートスイッチを押すことでモード変更ができ、「レイン」にすると出力がゆるやかになり、ラフなスロットル操作でも加速特性は穏やかになる。「オフロード」もレイン同様に穏やかな出力特性だが、オフロードをアグレッシブに走れるよう、トラクションコントロールは抑え気味になるほか、リアタイヤのABSはカットされる。これらはフルカラー液晶ディスプレイですばやく確認できる。
重心位置が高めだがハンドリングは比較的穏やか。それでいて荷重位置を積極的に動かせば、高重心ならではのクイックな方向転換もできる。縦置きクランクならではの直進安定性も持ち合わせているので、スポーティな走りとゆったりと流す走りとを使い分けられるのだ。
1000cc超が一般的なアドベンチャーツアラーカテゴリーにおいて、850ccというV85TTの車格は貴重だ。さらにアドバンテージとなるのは、このクラスのアドベンチャーツアラーで唯一シャフトドライブを採用する点だ。ロングツーリング時にドライブチェーンのメンテナンスの手間を省けるメリットは大きいのだ。
そんなV85TT、イベントで試乗した4人のインプレッションも併せて紹介しよう。
「振動が大きいと思っていたらそれほどでもなかったので、いい意味で裏切られました。シャフトドライブ特有のテールリフト(スロットルオンでリアが上がる)もそんなに感じなかったですね。車体が軽いこともあって乗りやすく、加速もスムーズ。もうちょっとクセが欲しいと思うくらい(笑)、素直な乗り味のバイクでした」
「見た目はごついけど、エンジンは滑らかだしかなり乗りやすいですね。グッツィらしさともいえるドコドコ感はずいぶんと滑らかです。でも峠を走るともうちょっとパワーが欲しい感じがしますね。他メーカーにないデザインはいいですし、存在感があります。カッコいいですよね。愛知県から来た甲斐がありました」
「ノルジェが重く感じてきて身体がつらくなってきたこともあって、実はV85TTを予約していて、今は納車待ちです。試乗せずに購入したので今日どんな乗り味なのか確認しにきました。車体が軽いことと、新型エンジンの吹け上がりがスムーズでいいですね。上り坂もラクでした。重心が高くてフシギなライディングフィールですが、納車が楽しみです」
「4000回転以上になると振動がなくなってスムーズですね。以前に乗ってたグッツィよりも角がとれた振動だと感じました。重心は高いですけど、ハンドリングは違和感がなくてとっつきやすいです。車体も大きすぎないし、ちょうどいいライディングポジションで乗りやすい。でも、モトグッツィに液晶メーターは似合わないかな(笑)」
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!