掲載日:2015年10月05日 フォトTOPICS
取材・文/佐川 健太郎 写真/MOTOCOM 取材協力/ヤマハ発動機株式会社
「大都会のチーター」をコンセプトに、YZF-R25/03の車体とエンジンをベースとしてMTシリーズ共通のアグレッシブなスタイリングを纏ったMT-25(左)とMT-03(右)。カラーはいずれもマットシルバー、ブラック、レッドの3色。外観での違いはロゴのみ。
2015年9月中旬、ヤマハの新型スポーツネイキッド『MT-25』と『MT-03』のプレス向け試乗会が開催されました。『MT-09』、『MT-07』に続き、今回新たにMTシリーズに加わったこの2モデルは、軽量コンパクトな水冷直列2気筒エンジンを搭載するブランニューモデルです。コンセプトは「大都会のチーター」で、MTシリーズ共通のシャープで躍動感のあるスタイリング、筋肉質なマスフォワードデザインが特徴です。
すでに公開されているとおり、エンジンと車体など主要コンポーネンツは先にデビューした『YZF-R25』や『YZF-R3』と共通のプラットフォームを使用。MT-25はR25由来の最高出力36ps(MT-03は42ps)を誇り、クラスナンバーワンの動力性能と、車重165kgのライトウエイトを生かした軽快なハンドリングが持ち味です。それに加え、MTシリーズの開発コンセプトでもある市街地での扱いやすさと快適性、カウルレスによる解放感と視界の良さ、取り回しの軽さなどを兼ね備えたストリートモデルとしての個性を明確に打ち出しています。
試乗は1周5kmの専用コースで、当日はウェット路面にもかかわらず、豊かな接地感と素直なハンドリングにより、安心してコーナリングを楽しむことが出来ました。両モデルとも車体は共通で、スリムかつ軽量。それでいて比較的大柄な車体は、ライダーが跨ったときの見た目のバランスも良く、YZF-R25/R3対比で手前に19mm、39mm高く設定されたハンドルバーはゆとりのあるライディングポジションとなっています。豊富なハンドル切れ角で取り回しもラク。
同シリーズで比較することもありませんが、排気量の違いを感じるのは、やはり出力特性です。MT-25が比較的高回転型でスロットルを開け切ったときの上昇感が持ち味であるのに対し、MT-03は豊かな中速トルクが強み。MT-25よりピーク回転数は低いものの、回さなくても必要な加速が得られるため、1速低いギアでも余裕の走りを楽しめます。エンジンも明らかにパワフルなので、その意味でより玄人好みのマシンと言えるかもしれません。
発売予定は10月10日とのこと。まずはMT-25とMT-03の詳細を動画と写真でご紹介しましょう。
01MTシリーズのデザイン的アイコンである「マスフォワード」と「Zライン」を視覚化。
02シート高はYZF-R25/03同様の780mmで、スリムな車体と相まって足着きは良好。ハンドル位置は同比較で手前に19mm、高さ39mmの設定で快適なポジションを実現。
03左右非対称のスイングアームは573mmのロング設計で、対路面角度変化が少ないため効率的に駆動力を伝えられる。
04前面投影面積が少ないスリムな車体。
05エンジンはYZF-R25/03共通の水冷直列2気筒DOHC4バルブ。MT-25は排気量249ccから36ps/12,000rpm、MT-03は320ccから42ps/10,750rpmのピークパワーを発揮。
06フロントブレーキはフローティングタイプのシングルディスク&2ポットキャリパーを装備。タッチはリニアでコントロールしやすい。
07リアブレーキはシングルディスクタイプ。ホイールは前後とも軽量なアルミ鋳造タイプを採用。
08しなやかな乗り心地のリンク式モノクロスサスペンションはプリロード調整機構を装備。
09軽快なハンドリングに寄与する軽量コンパクトなショートサイレンサー。エンドカバーはアルミ製。
10新たにデザインされたヘッドライト周り。マルチリフレクターにH4ハロゲンバルブを装備。メインライト上に位置するLEDポジションランプがアイライン風の輝きを主張。
11容量14リットルの燃料タンクは樹脂製タンクカバーに覆われ、ネイキッドらしさと凝縮感を演出。MTシリーズの特徴であるエアインテークもしっかり装備。
12スポーティかつ快適性を追求したシート周り。リアシートにはエルゴノミクスとデザインにこだわった左右別体式のアルミダイキャスト製アシストグリップを採用。
13リアシート下は2重底構造で、ETC車載器の設置を考慮した作り。
14テールライトには質感の高いLEDタイプを採用。
15MT-03のタコメーターには12,500rpmからレッドゾーンが刻まれている。
16MT-03はコーナーでの豊かな低中速トルクを生かした立ち上がり加速が魅力。軽快かつスロットルで車体姿勢をコントロールできるビッグバイク的な乗り味も併せ持っている。マシンを積極的に操りたい玄人好みのキャラクターでもある。
17MT-25のヒールガードは、MT-03には見られないホール加工が施されている。
18MT-25のタコメーターはMT-03よりも高回転な14,000rpmからレッドゾーン設定。
19MT-25は伸びやかな高回転域を生かした“アケアケ”の走りが魅力。とは言え、クラス最強エンジンはミッドレンジでクルーズしていても十分スポーティな走りが楽しめる。ビギナーからベテランまで、幅広いライダーにおすすめだ。
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